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第43話
『ふむふむ。で、お昼を一緒するの、やめたいというわけね』
『うん。後輩に懐かれるのは嬉しいような気もするけど、何てったってアイツらは不良だからね(x_x)』
『うーん。これはお姉さんのカンだけど、その後輩君はケントに気があるんじゃないのかな( ´艸`)ムフ』
「……」
健人は画面を見て硬直した。
それは否定出来ないかもしれない。
だけど宗太に自分を好きになる理由なんてないだろう。
あんなに恵まれた容姿で女に不自由してるとも思えないし。
健人はそう思った。
あの時のキスは、俺をからかっただけだ……。
そう考えるのが一番しっくりとくる。
『それは困る~(>.<)当たり障りなく断る方法はないのかな』
『そうねぇ。まず目的をハッキリと聞いた方がいいわよ。今まで聞いた話からすると、彼らはケントを気に入ってるわけだから、聞きにくい事聞かれたくらいで暴力に走ったりしないでしょう?』
『……多分』
健人を郷田から守ってくれた宗太。
昼になると毎日健人の牛乳を買ってくる。優しいところも確かにあるとは思う。
だけど、あの長身に凄みのあるキレイな顔。
隣には、いかつい神戸。
ハッキリ言って和也が居たって怖いのだ。和也的には直接関係はないし、何も支障がないのだからそれこそ他人事だと思っているんじゃないだろうか。
寧ろ健人に悪い虫が寄って来なくなって良かったと、そんな風にすら思われていそうで、健人の考えはもしかすると却下される可能性が高い。
『まぁ学園生活なんて短いんだから、思う存分悔いのないように過ごすといいと思うわ~♪青春って感じが羨ましい~!』
流石、大人のアドバイスには余裕がある。
トガーと話しているうちにそんなに深く悩まなくてもいいような気になってしまった。
「悔いのないように……か」
それにしたってあの気まずい昼食タイムを続けるのは後悔しそうだな。
健人がそんなことを考えていると、久し振りにハランからメッセージが送られてきた。
『おつかれケント。パーティー中?』
『ハラン!久し振り(^_^)/パーティー中だよ』
ハランからメッセージを貰うといつも心が踊り出す。
何か楽しい事が始まるような。
そんな気がするからだろうか。
『それって何のパーティー?』
『一応レベル上げだけど、友達と2人だからいつでも解散可能(笑)』
『じゃ、解散なw』
『強引(笑)』
『じゃあそのお友達も一緒でいいよ。釣り行かないか?』
『釣り?』
ケントがまだしたことのないアクションだ。
健人の胸がどきどきと高鳴る。
『そう。港から船に乗り海に出て釣りをするんだ。時々希少モンスターが釣れるから 俺の目的はそっちなんだけど、普通に魚も釣れるから。それを売れば金策も出来るし、調理すればHPの回復にも使える』
『行くー!!d(⌒ー⌒)』
海で船に乗って釣りをする。
未知の世界だった。
健人は胸を弾ませた。
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