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Lv.14ハラン

宗太はlostworldにログインするとまず先にフレンドリストを開いて誰がインしているかを確認する。 ギルドwantedのメンバーはもちろん、ジンにミレーユ、それにケント。 フレンドリストを見れば、それぞれのプレイヤーがパーティー中かソロプレイ中か、どのエリアにいるのかまで一目瞭然である。 ここ数日、ケントは常にパーティー中だった。 場所はイジー草原。 反対にイジー草原で検索をかけるとそのエリア内にいる全てのプレイヤーを見ることも出来た。 そもそもイジー草原は低レベルプレイヤー対象のエリアであり、パーティーを組まなくとも狩りは出来る。 だからケントがパーティーを組んでいる相手が気になっていた。 常にパーティーを組んでいるのはトガーというプレイヤー。恐らく2人きりだ。 宗太はそこまで把握していた。 「んー……不自然じゃない誘い方……」 宗太は画面を前に独り言を漏らす。 宗太がケントを気にかけているのには理由があった。 ケントはあの人に似ている。筑波健人。 健人がまさかケントだとは思わないが、その容姿がリアルの健人と重なるのだ。 健人に似ているケントをもっと知りたい。宗太が現実の健人を知りたいように、ハランはケントに興味がある。 もっと言えば、素直で可愛いケントの気を引きたい。 ならばケントにとって未知の世界である事を体験させるのがいいだろう。 そんな想いを巡らせながらケントへメッセージを送ったのだ。 結果、宗太の思惑通りに事は運んだ。 *************** 釣りをするには、港から船に乗る必要があった。 ハランに比べればケントはまだまだ駆け出しの冒険者だ。軌跡の石を持つハランが、ケントをイジー草原まで迎えに行くことにした。 ケントの相方トガーも一緒だ。 「イジー草原で待ってろよ。すぐ着くから」 「ありがとう、よろしく!」 ハランはホームから出ると、すぐに軌跡の石を頭上にかざした。 キラキラとした光に包まれ、イジー草原へとワープする。 遠目から見える小柄なシルエットは間違いなくケントだ。 互いにその姿を確認して歩み寄る。 「おーい、ハラン!」 ケントは笑顔で大きく手を振っている。 ハランも思わず頬が緩む。 「久し振り、ケント」 「ハランさん初めまして、トガーです。宜しくお願いします」 「トガーさんよろしく」 小柄なケントの隣に、同じ様な背丈の女格闘家がいた。 この頃いつもケントと行動している冒険者だ。 それが女だとわかり、胸が一瞬チリッと焼けた。 「ケントの彼女?」 思わずそんな事を衝動的に聞いてしまいすぐに後悔した。 そんなことを気にして何になるというんだ。 この世界は仲間がいてこそだというのに。 「えっ、ち、違う!!」 ケントは焦った顔で手をパタパタと振っている。 「ケント可愛い、焦ってる!て、あたしケントの彼女じゃありませんよ、ハランさん」

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