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Lv.26筑波健人
異様とも言える面子の組み合わせに驚くことなく、黒川は快く健人達4人を迎え入れてくれた。
一般的な日本の家とは正反対な玄関など存在しない洋の造りに少し戸惑いながら中へ入った。
高そうな調度品。所々にいる使用人。異国の地へ来たようだと健人は思った。
キョロキョロと物珍しそうに歩く健人達は 、広いリビングルームと思われる部屋に案内された。
「適当に座ってください」
「おお、すごい。まさかここ黒川君の部屋なのかな?」
和也の言葉に、そこにいた全員がぱっと一斉に黒川を見た。
「そうです。つまらない部屋ですみません」
ふっと微笑みながら黒川が言う。
「すごすぎ……」
健人は口を開けたまま部屋を見渡し、宗太はチッと舌打ちする。神戸は「まじか」 と呟いた。
ガラス造りのダイニングテーブル。そこへ4人は腰掛けて、各々テスト勉強の準備をする。
「原田達はどうする?暇ならその辺のゲームで適当に遊んでていいよ」
宗太と神戸は顔を見合わせた。内心ここがどんな部屋なのか探りたくてうずうずしていたに違いない。
あっさりと二人は頷いた。
「よし、じゃあ始めるか」
「おー」
真面目に勉強を始めた三人に、バカでかいテレビ画面で煩くゲームする不良二人。
明らかにおかしな絵図等である。
30~40分経った頃だろうか。
使用人と思われる白いエプロンを着けた女性が、お茶やお菓子を運んで来た。
黒川がそこでいいと言うとその通りにテーブルの端の方にトレイを置いて出て行った。
「一息入れましょうか」
「あぁ、そうだな。ちょうど集中力切れる頃だよな」
「うん」
んーっと健人は伸びをする。
その傍らでスマホを弄る和也と、相変わらずゲームしかしていない不良組。
黒川は置かれたティーポットから冷たい紅茶をグラスに注ぎ、それを健人と和也に手渡した。
「ところで並木先輩は、筑波先輩と付き合ってるんですか?」
「ぶっ」
「ちょ、健人汚い」
「大丈夫ですか、筑波先輩」
余りに突然の質問に健人は吹き出してしまった。対して和也は冷静だ。
「もし君が健人に告白するつもりなら、俺は健人と付き合ってるって答えるよ」
黒川は一瞬目を丸くしたが、すぐいつもの顔に戻り「なるほど」と呟いた。
「ってことはフリーなんですね」
そう言って健人に向かって微笑む。
─いや、フリーはフリーなんだけど……。
男は範疇外だ。
何と説明していいのかわからず健人は苦笑いを浮かべた。
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