コクっと宗太の喉が鳴る。 宗太の視線が健人の顔から胸へ、 ストンとした下腹部へ、更に薄く柔らかそうな下生えへと下がっていく。 自分の幼い色をした性器がつんと上を向いて淫液をたらたらと零している様を、宗太が見ているのがわかり、体を丸めようとしたが、つるんと滑らかな尻の間から玩具が音を立てて振動し、その刺激に健人は背を仰け反らせた。 顔は涙でぐしょぐしょになり、下腹から下も泣いているようにぐずぐずで、それが宗太の性的欲求を刺激しているなんて健人にはわからなかった。 「ほんっと……凶悪だな」 凶悪なのは無慈悲に黒川を殴りつけた原田じゃないのかとぼうっとした頭で思う。 「それ自分で抜けるのか。それとも抜いてやろうか」 "それ"が、後孔に挿入された玩具であることはすぐに理解できた。 抜けるものなら今すぐ取り出したい……！ 「え……あ、じ、自分でっ……」 とは言ったものの、振動が前立腺を掠める度に体から力が抜けて甘い喘ぎが口から零れる。 見兼ねた宗太は健人には無理だと判断し、健人の尻に手を添えて玩具を掴む。 「い、やっ」 宗太に触れられた場所から、また新たな熱が生まれそうだった。 「無理だろ。これ抜くぞ」 「あぁっ、あっ……！」 宗太がぐっと手に力を籠める。 するとぬるっとしたクリームと一緒に玩具がずるりと引き抜かれた。 「ひ、あぁっ、あっ」 内壁を擦られる感触に身体がびくびくと跳ね上がる。 しかしまだ熱は内に籠ったまま。 健人は自分の両手が自由になったことに気付き、早く熱を出してしまおうと中心に手を伸ばした。 「ご、めん、原田、あっち向いてて……」 健人は自己処理してしまおうとしているのだ。 宗太は「あぁ」と頷き健人から背を向けた。 「ふっ……んっ、あっ、……で、できない……っもう、やだっ」 手を添えてそこを握ろうとするが、ずっと縛られていた為か、手が痺れて上手くいかない。 健人の声が助けを求めていると思ったのか、宗太がくるりと振り返る。 「ほら、手、貸せ」 「…え、やっ、なに」 荒々しく宗太が健人の手を取り、ピンと勃ち上がったそこに手を這わせる。 「え、そんなことっ……、はらだ！やめ……っ」 「うるせぇ。こっちに集中しろよ」 「……ぅん、んんっ…！」 ゆっくりと宗太の大きな手に手を包まれて、自分を扱く。 こんな状況なのにどうしようもなく気持ちいい。 こんな自分は心底嫌だ。 弱く、淫らな、堪え性のない自分。 こんなはしたない自分を宗太はどう思っているだろうか。 「あ、も……離してっ、はら、だ、出る……ぁんっ……！」 健人がふるっと身体を震わせて腰を反らす。 ぴゅるんと白濁した液体が健人と宗太の手を濡らした。 我慢の糸が切れて、健人の涙腺はさらに崩壊した。 「……ひ、んっ、っぅ～～っ…ごめ、はらだぁ～っ」 何が何だか頭の中で整理がつかない。 一度熱を出したのはいいがまたすぐ身体は熱くなり、解決方法が解らず助けを求めて宗太に手を伸ばした。 宗太はしっかりと震える健人を抱きしめた。 与えられたのは安心感。 年下のくせに生意気だ。 「大丈夫。……震えんな」 衣服を宗太に手早く着せてもらい、そのまま抱え上げられた。 こんな状態、平常な頭では到底考えられないが、今は宗太に縋るしか選択肢がない。そして救われた。 ─本物のナイトみたいだ。 こんな時にまでlostworldの世界を思い描くなんてどうかしてると思う。 でも、助けられて守られて、宗太が向こうのハランみたいだと健人は思った。 寝室の外で黒川は宗太を案内した男に介抱されている。 「……ちょっとこれは、お互いにやり過ぎですね。まぁなんとかしますけど。気をつけてお帰りくださいね。そちらの坊っちゃんが無事で良かったです」 「あぁ」 一言宗太が返事をして健人達2人は黒川邸を後にした。