びっくりしたというのが本当のところで。 宗太が身体の心配をしてくれていたことは嬉しく思ったが、まさか後ろの方まで心配されるなんて思ってもみなかった。 確認させろだなんて、いつもならば気持ち悪いの一言を添えて跳ね返すところだ。 しかし宗太の顔があまりにも真剣で、健人は思わず従ってしまった。 宗太の指が、後孔の中で動き、前も宗太の手で扱かれる。 ─何でこんなことに。 途中からはそんなこと考えられない程優しい手が気持ち良くて、自分の口から零れるAVみたいな喘ぎ声も止められなくて。 自分は一体どうしてしまったのか。 宗太から与えられるものを、もっと、もっと欲しいって思っている。 達した直後、唇を塞がれた。 何度も甘く唇を吸われ、食まれ、溶けてしまいそうなほど気持ちがよかった。 顔を上げてとろんとした目で宗太の顔を捉える。見上げると原田はハッと息を吐いた。 自分に宗太が欲情している。それがわかっただけで、再び体がじわりと熱を帯びてくる。 ─なんでイヤじゃないんだろう。 なんで恥ずかしいのにもっと、いやらしく触ってもらいたいんだろう。 なんでキスしたいんだろう。 「……キス、もう一度……ん」 考える間もなく、宗太の唇が再び健人の口を塞いだ。 薄く開いた唇から宗太の舌が歯列を割って潜り込み、内側の粘膜を舐め上げる。健人もまたそれを追い掛け必死に舌を絡めた。 与えられる感覚と宗太から立ち上る香水のような仄かな香りが鼻腔に入り込み身体のあちこちが、熱く震える。 宗太の胸にしがみついていた手はいつの間にか、宗太の首に腕ごと巻き付けて健人は更に身体を強く密着させた。 「はっ……、ん、ん」 貪られるままに宗太の口付けに応え、名残惜しそうに唇を離すと宗太の眉がきゅっと寄っているのがわかった。 「ぁ……はらだ……」 健人の下腹に宗太の固く張り詰めた欲望が触れて。 健人は快感に浮かされた頭で、そこへ手を伸ばした。 「あ、おい……」 熱い吐息混じりの宗太の声は掠れていて色っぽい。 宗太のそこに触れてみたい。これがただの好奇心なのか何なのか。 通常では考えられないことだと健人の中の冷静な部分が告げるのだが、それよりも宗太の熱に触れてみたいと思ってしまう。 健人の手がスラックスの上からそこをそろりと撫でると、宗太が熱い息を吐く。 「……らだ、触っていい？」 「しょうがねぇな……」 切なげに目を細めて宗太が笑うと、健人の胸はきゅんと絞られ、下腹がずくずくと疼く。 宗太は自分のベルトを外し惜しげもなくその塊を取り出した。 そそり立つそれは、自分のとは色も形も大きさも違う。