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第98話

*************** 宗太はケントとイベントの約束を取り付けられたことに満足し、そろそろログアウトしようかと時計にちらりと目をやった。 その時ジンからのチャットメッセージが届き、再びモニター画面へと視線を戻した。 『ハランお疲れー(^_-)』 『おつかれ』 『ハランはイベントどうすんの?』 『あー、さっきケント誘った』 『そっかwケントと付き合ってんだって?』 『ん?俺そのこと話したか?なんで知ってんだよ』 『だってミレーユが超ご立腹でさwwwハランが男に走ったってそこら中に言い触らしてるよw』 キーボードを叩く宗太の手が止まる。 またミレーユかよ。 『まじかw』 『しかもさ、イベント用にミレーユをリーダーとしたチームを結成して、打倒ハランを掲げてたよ。ミレーユ好きな信者はそっちに行ったみたいだけどハランはどうするの? チーム結成するなら僕も入れて欲しいな』 対人戦はパーティー対パーティーだ。 最大で2組のパーティーで同盟を結ぶことが出来るが、チームを作るとなると戦利品の配分など考えなくてはならないし、均等に分けたりしていたら欲しいものも取得出来ないかもしれない。 『いやチームは作らねーけど。パーティーは作らないと話になんねーから、ジンが入ってくれるなら嬉しい』 『ありがとー(^_^)vパーティーメンバー集めるよね』 『あぁ。メンバー集めねーとな』 『うんうんw楽しくなってきたな( ´艸`)』 『ジン、頼みがあるんだけど』 『なに?』 こんなことを話せるのはここではジンしかいない。 ハランはジンに協力を求める為、思い切って全てを告白した。 今回のイベントはケントに指輪を贈るために自分が参加すること。それに協力してほしいこと。 そして、リアルで同じ学校の先輩後輩の仲でケントを好きになってしまったこと。 しかしリアルで繋がっている事に気付いているのはハランだけだということ。 にわかには信じがたいリアルとlostworldとの世界で起きていることを掻い摘んでジンに伝えた。 ジンは黙って聞いていたが、しばらくして返事があった。 『びっくりした。本当にそんなことあるんだね。リアルで出会い、こっちでも出会い、性別を超えて好きになったなんて。ハラン、それってもう運命だよ!安心して、僕誰にも言わないしガッツリ応援するからさ』 『ありがとうな、ジン。まぁ、リアルではまだ俺の一方的な片想いみたいなもんでうまくいってねーんだけど』 『大丈夫!ハランは格好いいよ。自信持って』 宗太は強力な仲間が出来たことが嬉しくて緩む口元を手で軽く押さえた。

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