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第123話

ケントはケントでギルドメンバーに囲まれてスキンシップに見せかけたセクハラを受けているようだった。 それでも笑顔で対応し、ここにいるミレーユ派と対立しないように働きかけているのが窺える。 ただ、ちらりちらりとハランを気にしている顔はミレーユに嫉妬しているのか、それともそれを撥ね付けないでいるハランに向けての抗議の目なのかはわからないが、とにかく嫌悪を示す目だった。 「ケントって、本当はすごく貪欲で卑しい子なんじゃない?男のくせに私たちのメンバーを誘惑しているように見えるわ。ハランはあんなイヤらしい子のどこがいいのかしら」 ミレーユはハランに跨がったまま、そう言ってハランの銀髪にキスを落とす。 「どこがいいって……。見りゃわかるだろ。全部だよ全部。内面も外見も化粧で塗り固めたあんたより100倍綺麗だ。外見だけで言えば生まれ持った素材が違う。それにケントは人を陥れるような真似はしない。絶対にな」 「……っ」 ぎりっとミレーユが歯を合わせた音がして、刹那、ミレーユの指がハランの顎を掬った。 「でも、私の方がハランを気持ちよくしてあげられる」 「おい、やめろ」 制止の声などミレーユには聞こえない。頭に血が上っているのだろう。 女に襲われて押さえつけるとか……めんどくせぇ。 ハランがはぁっと盛大な息を吐き、ミレーユを自分から引き剥がそうとしたその時、ケントがガタンと音を立てて椅子から立ち上がった。

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