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第126話
「ちょっと事情があって、今日はもうお開きにさせてもらうからさ。またlostworldで会おうぜ。ケントにハラン、それからジン」
あれよあれよという間に、クロロに追い出されるようにして、3人は店を出た。
上着も羽織らず手に持ったまま外へ出る。もう既に日は落ちていて辺りは真っ暗だった。
「……なんだありゃ」
宗太が眉根を寄せて前髪をかき上げる。
「まぁ、あれだよ。これって犯罪だよってクロロに教えてやったんだ」
にやにやと黒川が笑いながら言った。
「え、マジで!?」
「マジですよ。未成年に対する強要罪及び脅迫罪、それに未成年略取。ただ脅迫罪については二次元の世界に通用するのかはわからないけど……。こんな危ない場面では言ったもん勝ちですよ」
「さすがジン。助かった。ありがとうな」
「いいって、ハラン!っていうか、もうやめない?俺疲れた」
ふはっと宗太が笑って、それにつられて健人も黒川も笑い出す。
とんだ非日常を過ごしてしまった同士の絆がここにあった。
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