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第130話
さらりと宗太の手が健人の頬を撫で、健人が宗太を名前で呼んだ。
「……宗太」
そこからは嵐のようだった。
健人の小さな口ごと食らうように宗太の唇が重なり、健人の口中を蹂躙する。
乱暴な舌使いに切羽詰まった様子が窺えた。
それすらも愛しく感じて、健人も必死に宗太の舌を舌で追った。
「ぅ、……は、はぁ……ん、ん」
唇の端からどっちのものともつかない唾液が零れ、顎を濡らした。
宗太の唇が離れると、愛撫する舌はそのまま下へ降りていく。
シャツのボタンを全て外され、中に着ていたTシャツを捲り上げられた。
白い肌がシャツの間から露になり、ぷくんとこれからされる事を期待しているみたいに尖った紅い乳首が覗いた。
「男の胸ってわかっててもエロくて興奮する」
「あっ、あ、あ、……やぁっ」
宗太の舌が乳首を含む。
舌先でチロチロ舐められ、じんじんと下肢に直結するその感覚が気持ちよくて、思わず宗太の頭を抱え込む。
すると、甘く噛まれて健人の背が反った。
「あんっ……」
自分の甘い女みたいな声。
ここは宗太の家だぞと冷静な自分が囁いて、思わず両手を口に当てた。
「ん、ふ、んう」
まだまだ乳首を攻め立ててくる宗太からの刺激に両手でカバーされたくぐもった声が漏れる。
それに気付いた宗太が顔を上げた。
「だめだろ先輩。ちゃんと声聞かせろ。あんたの声、すげぇ可愛い」
宗太はそう言って健人の手首を一括りにし健人の頭上に押さえ付けた。
「あ、やっ」
「やじゃねーだろ、もっとだろ?」
宗太は雄の表情を隠すことなく薄い唇で弧を描く。
それはまるで眼光鋭く、凛々しい狼のようだと健人は思った。
宗太は間違いなく肉食男子だ。
こんな綺麗な肉食男子に迫られる女子の気持ちがなくとなくわかる。
「ん、ん、っ、もっと……そうた」
宗太の目を見詰めて言った。
宗太の目が熱を帯びてすぅっと細くなる。
「……お望み通りに」
瞬間的に宗太と竜騎士のハランが重なった。
「は、ハランみたいっ、……恥ずかしいっ」
「なんだよ。どっちが興奮すんの?ハラン?それとも俺?」
─どっちも好きだ。
「そんなの、どっちでもいい……」
「俺もどっちでもいい。あんたはどんな姿をしていても、変わらない」
宗太の舌がまた乳首を愛撫して、片方の手が健人の脇腹を撫で、肌を愛撫する。
すうっと指が滑らかに下腹を滑る。
どうして?と思うほど、下腹から更に下へと宗太の指から与えられる感触は快楽となって広がっていく。
「あ、……ア、ぁ、……んっ」
臍の周りをを撫でていた手がスラックスのファスナーへと伸び、ジッパーを下ろす。既に張り詰めた健人の性器が白のボクサーを押し上げ姿を現した。
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