133 / 138

Lv.49原田宗太

ゆっくりと、自分の形を教え込むように揺さぶって、悦楽に震えた健人の小さな身体を後ろから抱き締めながら宗太も果てた。 ─やばい。これ、ハマりそう。 今まで経験したどのセックスよりも甘美で気持ちいい。 何より健人が自分に心も身体も開いてくれた。 他の誰にも見せないいやらしいところも全部。 もう絶対に手放せないと宗太は思った。 己を引き抜くと健人がまた「あ」と可愛い声を上げた。 くったりとした健人の体を仰向けにひっくり返す。 健人の目元は赤く染まり、ぽやんと熱に浮かされたような視線で見詰められ、もう一戦いけるけどと思わず言ってしまいそうな自分を全力で制止する。 堪らなくなり、キスでき我慢することにした。 甘いキスを交わし、ちゅ、とリップ音が部屋に響く。 宗太と健人はしばらく見詰め合い、どちらからともなく、「ふふ」と笑った。 「なあ」 「ん?」 「あの写真……家族写真?」 「あぁ、子供の頃のやつだな。小学校の卒業式だ」 健人の視線が机に置いてあるフォトフレームに向いている。 「お前にも可愛い頃があったんだな。髪の色が違うだけで全然イメージが違う」 「今は可愛くなくて悪かったな」 「そんなこと言ってない。今の宗太は充分カッコいいだろ。俺だよ全然変わらないのは……お前のその容姿、恵まれてるんだから親に感謝しろよな。それにしても親子って似るんだな。特に親父さん似なの?」 「そうかもな」 不本意ながらその通りだ。 「……あれ、なんかどこかで見たことがあるような……」 健人の動きが不意に止まる。 気付いただろうか。 それならそれで、自分のことを話すいい機会だと思った。 けれど健人は首を傾げたまま今度は時計に目をやり、慌てて布団から可愛い姿のまま這い出した。 「あ、嘘!こんな時間!?お姉さん帰ってくるんだろ!?こんなことしてんの見つかったら大変……」 「慌てんなって。それより体は?平気か?」 健人の背中をさすると、ごもごもと健人が何かを口にした。 「なに?聞こえねー」 「こ、腰が上がんない。っていうか、全身がなんかバキバキしてる……」 そう言う健人の顔は真っ赤で、身体が痛いのは本当だろうが甘えたい気持ちも相当漏れていて宗太の口元が緩む。 「マジか。泊まってくか?」 「やっ、やだよっ!こんなあちこち痛くて病人みたいなのが遊びにきてるなんて変だろ!それより、着替え手伝って」 「……おう」 そうだった。 健人に夢中になるあまり、すっかり忘れてしまっていたが、宗太の姉も母も夕方過ぎには帰ってくる。 外はもう真っ暗でそろそろ帰ってきてもおかしくない時刻になっていた。 「家まで送る」 乱れた衣服を整えて、健人は立ち上がろうとしたが、足元がふらついていた。 「……うん。ごめん」 「謝んなよ。俺のせいだろ」 「かもしれないけど。俺が宗太とそうしたかったから、いいんだ」 「……っ」 くっそ可愛い。 今までとは違う健人の様子に明日からが思いやられるなと、悶々としながら健人の自宅近くまで自転車の後ろに乗せて送って行った。

ともだちにシェアしよう!