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第90話
「っ、…せて」
「ん?」
「もう…っ、イ、かせて…ください…っ」
掠れた声で、哀願する。
この終わりのない甘い苦痛を吐き出せるのならば、今はもう、過去の自分に屈する他、なかった。
圭史さんと幸人さんが目配せをした。
「…いいよ?」
後ろから幸人さんが答える。マドラーの先を、幸人さんの形のよい長い指が掴んだ。解放の予兆に、僕の気が緩む。
ずるるっとマドラーが、細い肉壁を擦りあげながら抜かれていく。それと同時に塞き止められていた精液が、一緒に競り上がってきて、射精直前の快感に満たされる。
「はあぁ…っあぁー…っ、あー…っ」
もう少し。
もう少しで、解放される。
喉仏をヒクヒクひくつかせて、熱い息を吐き出した。
その時。
「っ、アぅっーーーンンンンっっ!?」
グリッとマドラーの先が、尿道の最奥へ勢いよく差し込まれた。びくびくびくっと全身が痙攣する。
目の前が真っ白く光った。
「うわっ、やば…っ」と幸人さんが焦る声が聞こえ、胎(はら)の中に熱い液体が注がれた。それすらも快感になって、僕の体は水揚げされた魚のように何度も跳ねる。
ーーー紛れもない絶頂だった。
「あーっ、あ、あぁーっっ」
「くっ、久しぶりのメスイキ気持ちいいなぁ?玲」
「ナカ痙攣してる…まだイッてるんだ?俺も気持ち良すぎて出ちゃったよ。けど、まだ玲のこと愛したいから、そのままイきっ放しで俺のチンポ締め付けてて?」
「ヒ、ィあぁっ!?」
まだ絶頂の収まらないナカを、圭史さんが擦り上げた。
「何度もイッていいんだよ?射精しない方が、いっぱいイケるもんな?玲は」
幸人さんの悪魔の囁きが、圭史さんの悪魔の微笑みが、目の前にあった。
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