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第96話
今すぐ決壊しそうな予感に震える。
「お願い、お願い…っ」
必死で懇願する僕に、けれど新谷君は首を横に振った。
「なんでぇ…」
「帷さん…」
新谷君は悲しそうに僕を見る。
「帷さん、だめです」
射精の欲で頭がいっぱいの僕は、新谷君の言葉が悲しくて悲しくて涙が出てくる。
「うぅ…新谷く……」
「帷さん…」
新谷君はまた何か言おうとしたみたいだったけど、それが言葉になる前に
「あーあ、新谷君は意地悪だな」
そうだろう、玲?
幸人さんの言葉で、新谷君の表情ががらっと変わった。
「…………今すぐ、帷さんから離れてください」
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