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第114話
side玲
キスの余韻に浸っていた僕は、切羽詰まった様子の馨君に我に返る。
「ちょっ…待って…」
僕を降ろそうとする馨君を慌てて制する。
怪訝そうな顔をする馨君に心の中で謝りつつ僕は言う。
「あのさ、馨君はそのままでいてくれないかな」
「え? 玲さん…あの…」
戸惑った様子の馨君を無視して僕は腰を浮かせる。
僕の意図に気付いた二人からヒューと声が上がる。
「やるなぁ、玲」
「新谷君うらやましいー」
二人の言葉と僕の体勢で何をするか分かったんだろう馨君は目に見えて慌てる。
「玲さん、そんなこと…」
「嫌?」
僕の言葉に真っ赤になった馨君は、小さな声で「嫌、ではないです…」と答える。
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