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第127話
「いじめられるのが好きだから」
「二人は僕の飼い主なんだ」
ついさっき、玲さんのくちびるからこぼれた言葉が甦ってくる。
帷さん。
数時間前まではそう呼んでいた貴方に、ずっと惹かれていた。ずっと、貴方を欲しいと思っていました。
これまでのことなんて、どうだっていい。もうこの先、誰にも触れさせたくない。
俺が貴方を救い出してみせる。
蠱惑的な泣き顔も素敵だけれど、最初に惹かれたあの笑顔ーー春の風みたいに柔らかで澄んだ笑顔ーーの貴方と心から愛し合い、陽の当たる場所を一緒に歩きたい。
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