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第144話
声を潜めつつ語気を強くする。
それに肩を竦める彼は、僕をからかっているのだろう。
「見るなら早く見てください」
埒が明かない。息を吐きつつそう言うと、圭史さんは首を横に振った。
「玲、お前俺に脱がせるつもりだったのか?」
「は…」
さも当然のようにそうさせようとしていた自分に気付く。
「すまんな、なにぶん俺は今お前に手が出せない」
「~~~っ」
意地悪だ。彼のお遊びなんだろう、これも。
でも、これをクリアしなければ馨との明日が無くなってしまう。
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