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第49話

 名前を呼ばれ、咄嗟に新谷くんの名前を呼ぼうと口を開くものの、それを遮るかのように、柔らかだが強めの声音が頭上からした。 「…君も来てもいいけど、気まずい思いをするのは、帷だよ?」 その言葉に、さすがに新谷くんも何も言えず、為す術なく、僕は南雲さんに引きずられていった。  『医務室』と言っていたが、別の部屋に連れていかれた。多分、研究職員が使う休憩室のようだ。今は全く人気がない。  扉が閉じられると同時に、彼の腕を乱雑に振り払おうとした。 「っ、離して…下さい…っ」

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