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第69話

「へぇ、玲ってば久しぶりだからさ、俺が教えたこと忘れちゃったかなって心配しちゃってたりしたんだけど…、身体はしっかり覚えてたみたいだねぇ」 ほら、もうこんなにして…と的場さんの手が動く。 「や…」 「いや? まさか、逆だろ?」 思わず出てしまった声に即座に反応したのは南雲さんで。 「お前のイヤは――」 もっと。だろ? 「ヒッ」 二人から同時にせめられて、二人の言葉を否定しようにも体は反応してしまって。自らねだるような動きを始めてしまう。 「玲ってば期待してくれちゃってんだ」 「だったらさぁ」 ――期待に応えないとなぁ……? どうして逃げられると思ったんだろう。 二匹の猛獣の獰猛な笑みに、僕は再び自分が檻の中に戻ったことを知ったのだった。

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