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第74話
圭史さんの顔が、ふっと優しく緩んだ。
「…良い子だ…、玲」
一段と甘く蕩けるような声音が、僕の名前を呼んだ。
散々弄られて解された僕の後孔に、圭史さんの長い指がグチュッと卑猥な音を立てて入る。
「アッ!ぁ、んっも…、もう、いいっから…っはや、くっ」
「そうじゃないだろ…?こういう時は何て言うのか、教えたよな?」
「っ、ンンッぁ、あっ…」
3本の指がバラバラに動き、過敏になった内部を引っ掻く。拡げられた縁を親指がなぞり、自分のソコがどんな形に歪んでいるのかを認識させられる。
羞恥心は、まだある。
けれどーー
「入れ、て…っ…僕のナカ…っ、圭史さんの大きいので…犯して…っ」
「…玲。お前は素直な時が、一番可愛いよ、っく」
満足そうな声と共に指が引き抜かれ、熱く猛った杭が突き刺さろうとした瞬間、
ピリリリリ
甲高い電子音が店内に響いた。
放り出された僕の上着のポケットから震えるスマホを、幸人さんが取り出す。
「…新谷?」
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