75 / 165
第76話
「玲の名字ばかり言われても分かんないんだけど…まぁ、いいや」
少し呆れたような口調で幸人さんが、誰かと話している。
「んむっぅ、んんぅっんぁっ」
ずっずちゅっと粘液同士が擦れあう。咥内も後孔も、圭史さんの肉と僕の肉が絡み合って、体中の神経が快楽に喜んでいる。
頭の中は靄がかかったように、その快楽だけを認識し、絶頂を迎えようとしたその時、
「玲。電話だよ?」
『帳さん?』
「っっーー!!?」
幸人さんによって耳へ当てられた電話口から、新谷くんの声が聞こえた。僕の意識は一気にクリアになる。
「しっ、新谷…く、ん?」
『はい。あの…体調大丈夫かなって思って、電話したんですけど…すみません、なんか他の方が出られたんですが…』
「あ、と…友達、だよ…」
「友達、ね」
僕の言葉に幸人さんが、クスッと笑った。圭史さんも嘲笑うかのようにククッと声を殺して笑う。その間も僕の肉壁を硬い肉棒で、満遍なく擦り続ける。
「も…、もう体、は…っ、大丈夫、だから…友達と、飲んで…て…っ」
『そう…なんですか?…なんか、調子悪そうに聞こえますけど…』
漏れそうになる甘い声を必死になって殺し、会話を続ける。そんな僕が面白いのか、腰の動きを緩くしたり、時折前立腺に近いところを抉ったりして、反応を見ている。
「だ、いじょうぶ…だから…」
「…よく頑張ったな…?」
圭史さんの囁きが聞こえたと思った瞬間、ごりっと勢いをつけて前立腺が潰された。
「っーーヒあぁ!!」
ともだちにシェアしよう!