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第4話初めての愛情
アランside
互いに一矢纏わぬ姿。
月灯りで見える楓の身体。
あの人以外の温もりも
感触も初めて────。
「アラン────」
楓は優しく僕の名を口にすると、
キスの雨を降らせる。
「んっ……んぅん」
顔から胸元、腹、全身に
羽のように優しいキスが
何度も何度も降りてきて、
僕は知った。
手の感触も、キスも
まるであの人とは違う。
とても、とても温かくて
酷く優しい。
「────か、えで」
「今夜だけは、俺を見て。
俺だけを感じて────」
近づく顔から目が離せず、
そのまま深い深いキス。
僕もその甘い口付けに身を預けた。
「んっ……ぁっ……んふっ」
赤い舌を絡ませ、
宙で貪りまた重なる。
ちゅるっと漏れた水音。
たっぷりキスを堪能すると、
楓は羽のようにキスをしながら
首筋から胸元へ降りていく。
僕も既に甘い疼きが
下半身へと集中して、
乱暴なセックスしか
知らない僕は少し
焦れったい。
「か、えで────、
もっと………………………!」
お強請りはきっと楓の思いを
傷つける。でも────、
今は欲しい!
許されるなら、このまま
抱き殺して欲しい────。
そう願うのは僕の我儘だ。
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