4 / 14

第4話初めての愛情

アランside 互いに一矢纏わぬ姿。 月灯りで見える楓の身体。 あの人以外の温もりも 感触も初めて────。 「アラン────」 楓は優しく僕の名を口にすると、 キスの雨を降らせる。 「んっ……んぅん」 顔から胸元、腹、全身に 羽のように優しいキスが 何度も何度も降りてきて、 僕は知った。 手の感触も、キスも まるであの人とは違う。 とても、とても温かくて 酷く優しい。 「────か、えで」 「今夜だけは、俺を見て。 俺だけを感じて────」 近づく顔から目が離せず、 そのまま深い深いキス。 僕もその甘い口付けに身を預けた。 「んっ……ぁっ……んふっ」 赤い舌を絡ませ、 宙で貪りまた重なる。 ちゅるっと漏れた水音。 たっぷりキスを堪能すると、 楓は羽のようにキスをしながら 首筋から胸元へ降りていく。 僕も既に甘い疼きが 下半身へと集中して、 乱暴なセックスしか 知らない僕は少し 焦れったい。 「か、えで────、 もっと………………………!」 お強請りはきっと楓の思いを 傷つける。でも────、 今は欲しい! 許されるなら、このまま 抱き殺して欲しい────。 そう願うのは僕の我儘だ。

ともだちにシェアしよう!