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第13話想いは永遠に1
警察の事情聴取など
慌ただしい時間が過ぎ、
病院の霊安室に来れたのは
日が傾き始めた夕方だった。
アイツも俺の連絡に
顔を出したが、
その顔を見て、俺は
有無言わさず殴りつけた。
散々殴って、
それでも俺の気持ちは晴れない。
アイツは殴られた後────、
ボロりと涙を零した。
「泣くぐらいなら、
どうして愛してやらなかった!」
「…………………………………………」
どうしようもない感情が
俺を呑み込む。
その涙がアランの最後の願いとは
俺は知らない。
「帰れ!そして、
2度と俺の前に姿を見せるな!」
俺は吐き捨て、霊安室の扉を閉める。
アランは綺麗にされ、
既に冷たくなっていた。
昨日まで────
あんなに温かったのに……。
俺は散々泣いて、
警察から渡された、
血の付いたメモを開く。
そこには────。
楓へ
きっとこれを読む頃、
僕は沢山楓を傷つけている。
沢山迷惑掛けてるね……。
本当にごめんなさい。
だけど、僕にはこの答えしか
浮かばなくて────。
本当に身勝手……。
身勝手だから、
最後の我儘を訊いて欲しい。
どうか、僕を海に帰して、
静かに眠らせて欲しい……。
楓────愛してくれて、
本当に有難う。
罪な僕を────許して
それ以上は血に染まり
読む事は出来なかった。
いつ書いたのか、
最後は何だったのか、
俺は涙を堪えきれずに、
崩れ落ち、何度も何度も
アランの名を呼んだ。
涙が止まったのは
9時を回った頃。
「帰ろ────アラン」
俺は冷たいアランの
唇にキスを落とし、
綺麗な髪を撫でた。
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