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第131話

人生で初めて作ったお粥 俺のせいで具合が悪くなってしまった ライトの為に作ってやりたかったんだけど スマホには塩少々って書いてある  なんて適当なんだ 少々って……何gか、ちゃんと書け 少し塩を入れたけど何も味がしない また入れるけど薄い 今度はドサッと塩を入れた うーん。少ししょっぱい…… 米と水を入れる? いや。失敗しそう 味濃いけど、食べれなくはないかな しばらく悩んでると、 ……香ばしい匂い! 慌ててかき回すと下の方には薄っすら、 おこげのように色が変わってた これはずっと混ぜないといけないのか こんなにドロドロ水っぽいのに、 焦げるなんて…… 作り直す? でも……ライト…… 眠そうだっただから、作り直してたら、 寝ちゃうかも…… なんか味見しすぎて、 よく分からなくなってきた 大丈夫そうな気もする 食べれなそうなら、作り直そう 少し水っぽくて、焦がしたし、 しょっぱくて旨くないかも………… でも、ライトは口にした途端、 嬉しそうに笑ってくれた 「うまい?」 「……うん」 残さず食べてくれた 誰かに作ってあげるのっていいな…… そう思った その後、少しゲームをして寝ることにした ルイトは今頃…… 「吹雪。一緒に寝たい」 いけない うっかり、ルイトの事を考えてた  俺の袖を引っ張り、 上目遣いで伺いを立ててくる 「…………いいけど」 本当に意外…… 甘えん坊だな …………寂しいのか? その日、抱き合って眠った 「……吹雪?……くっつくと温かいな」 「そうだな」 ルイトのことは考えないようにした …………温かい 誰かといて、こんなに安らいだ気持ちに、 なるなんて…………

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