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第139話
腹は減ったから、買い物に行くことにした
なんか無性にハンバーグ食いたい
ファミレスとかじゃなくて、
家で作った手作りのやつ
「ハンバーグ食いたい。作れる?ライト」
「作れるけど、時間かかるぞ」
ライトはすごい
俺も少しは勉強しよう
「お前、何気にすげーな。
待つから、作り方、教えて?」
「吹雪も一緒に作るの!?」
家庭科の調理実習みたいだな
でも楽しそう
「やってみたい。だめ?」
「だめじゃねーけど……」
ライトもなんか楽しそう……
笑ってる……
「ハンバーグは挽き肉と玉ねぎだろ?
あっち?」
「先に玉ねぎな」
二人で買い物なんて初めてだな
この前はお粥も上手く作れなかったし、
今日は頑張ろう
「じゃ、吹雪。玉ねぎをみじん切りにして」
「みじんって何?」
ライトが手本を見せる
手際いいな
普段から料理してる奴は、やっぱり違う
……ライトの髪、ふわふわしてる
「…………こうやって、こう」
「こう?」
包丁持つの久しぶり
結構、怖い
「ふふっ。荒いみじん切りだな」
「ライト、なんか目が痛い」
目がツーンとしてジンジンする……
「玉ねぎだからね」
「目になんか入ってる?」
ライトが俺の顔を覗く
「玉ねぎは目がしみるんだよ」
ライトは男のくせに目がでけーな
ジッと見てたら、なんか赤くなってる
また、すぐ赤くなる……
照れ屋すぎるのも考えもんだぞ
「次は、玉ねぎ炒めて。飴色になるまで」
飴?飴色って何?
この緑色の筋が脱色でもするのか?
それとも、皮の色?
「緑?オレンジ?」
ライトの目が点になってる
「ぶはっ!そんなわけ、ねーだろ!
飴色ってのは、ツヤツヤした茶色!
あ、あはっ……アハハハッ……はぁ。腹いて」
大爆笑……
ライト、笑い過ぎて涙でてる
「楽しそーだな?ライト」
「お前のせいでな!」
俺も楽しいよ
……お前と一緒だと
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