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第145話

ライトが全然、起きない でも、そろそろ起こさないと、 バイトに遅れる 「…………ライト!」 何度か揺すると、ライトは目を開けた 「……今何時?」 「もう、夜七時だよ」 「7時!?俺、そんなに寝てたの!?」 昼から、多分6時間くらい 流石にやり過ぎて無理させた 「全然、起きないから、心配した」 「夜じゃん……」 「お前、死んだみたいに寝てたから」 「………」 「乱暴にして、ごめん。平気か?」 「平気に決まってんだろ!」 ライトは立ち上がろうとするけど、 ふらふら……と、その場にしゃがみこんだ 「ライト……!もう少し、寝てろよ」 慌てて抱き起こす 「そうする……」 「ごめん。俺、今からバイトなんだ。 一人で平気か?」 「平気だよ。早く支度して行ってきな」 鍵をかけるために、一緒に玄関まで、 来たけど、ライトはヨロヨロして、 足元がおぼつかない 顔色も悪い…… 心配な気持ちを残して、バイトへ向かった バイトはガソリンスタンド いつもはそこそこ、混む時間 今日は客足もまばらですいていた ボンヤリ、ライトの事を考える アイツ、大丈夫かな…… 具合、悪そうだった 俺のせいで 飯は食えた? 食欲は………… いや。あの感じだと、 また寝てるかもしれない うどんとかなら食べれるかな 帰りにスーパーに寄って、買い物していこう 具はかまぼこ ずっと前に、サークルのメンバーで、 うどんの好きな具について、盛り上がった時、 皆、カレー、キツネのあげ、天ぷら、 王道を言う中、何故かライトは、 かまぼこって言って、ビックリしたから、 覚えてる 一台の車がガソリンスタンドに入ってきた 「オーライ。オーライ」 「レギュラー満タン。クレジットカードで」 「はい。畏まりました。 ゴミや吸い殻などは、ございますか?」 「じゃ、これをお願いします」 「はい」 ゴミ箱を預かった時、助手席の着物を着た 小さな女の子に目がいく …………そうか もうすぐ、七五三だ 双子の誕生日 最近じゃ、当日に七五三をやるんじゃなくて、 家族の休みに合う同じ月の週末とかに、 お参りに行く事が多いらしい 今月の週末は、着物を着た子供連れの お客さんが多かった 「ありがとうございました!」 深くお辞儀して、お見送り もうすぐ、誕生日なんだな 先に20歳か…… 今までプレゼントなんて、 あげたことないけど…… ふと思い出した 何日か前に、何人かでゲーセンに行った時、 ライトが欲しがってたキーホルダー 千円使っても、取れなくて、 泣く泣く諦めてたっけ…… 意外と、不器用なんだよな。ライトは スター□ォーズのライ□セーバー 俺に取れるかな あげたら、喜ぶ…………? 今度、あのゲーセンに行ってみようか 「新名くん」 いけね…… ボーッとしてた 「あがる時間だよ。お疲れ!」 「……はい。お先に失礼します」 本当だ…… 時計を見る ライトは寝てるかな……

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