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第172話

………………腹減った ライトがいない…… 布団が温かいから、今、起きたばっかりか? 朝の五時………… キッチンにライトがいた 昨日、俺が隠したケーキの箱を 見つけたらしい 今日はライトの誕生日 「ライト」 「わ、わぁ!」 急に声をかけて驚いたのか、ビクッとなる 「ごめん。驚かして」 笑いそうになるのを我慢して口元を押さえた ライト、犬っぽい 「…………起こしちゃった?」 「いや。腹が減って……」 心配そうに聞くライトに答える 「あ……吹雪。ケーキ、ありがとう」 「今、食う?」 ご飯とか作ってるの、待てないし腹減った 「でも、せっかくのホールだし、 ルイトが帰ってきてからの方が……」 そうか…… ルイトも誕生日だ 言われて、ライトの事ばかり考えてた事に 気が付く それはライトの為に買ってきたんだ …………とか、恥ずかしくて、言えないけど…… 「別に残しといてもいいけど、 ルイトは嵐が祝ってるから、 いいんじゃないか?」 「え?」 「食べようぜ。ケーキ、好きだろ?」 お前がショートケーキが好きだから、 チョコじゃなくて、これにしたんだよ 「吹雪?」 「何?」 真剣な顔に少し、ドキッとする 「俺に買ってきてくれたの?」 選ぶ時、迷わず白いクリームにした あの瞬間 ライトの事しか考えてなかったんだ 「…………うん。昨日、酷いことしたから、 詫びも兼ねて……」 もう、怒ってない…………? ごめん。ライト…… 昨日の俺は最低だった 優しく抱きたかったのに、 結局、興奮して乱暴に抱いちゃったし 「……あり……がとう」 「プレゼントもあるんだ」 喜んでくれるかな ライトが前から欲しがってたキーホルダー ポケットからビニールの袋を出して、 ライトへ手渡した 「ゲーセンので、悪いけど」 「これ……」 「前に欲しいって、言ってただろ?」 下を向いてたライトが上を向いた 「…………嬉しい。ありがとう。吹雪」 ライトが嬉しそうに笑う 照れて少し赤い顔して、俺を見つめた ライトの笑顔はルイトと全然違う どこか控えめで俺だけに向けられる笑顔 もう一回、恥ずかしそうに、 ありがとう……って言われた ライトが笑うと、嬉しい なんだろう…… 頬が熱くてドキドキする ライトはキーホルダーを大事そうに 握りしめて嬉しそうに笑ってる ……可愛い………… 最近、やってない時にも常に思ってる 胸がギュッとなって苦しい …………ライトが最近、可愛すぎる 目が合ったら、ライトがふわっと笑った そんな可愛い顔して笑うなよ …………キスしたくなるから

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