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第182話

…………別になんて事はない ただ楽しそうに話しながら、 先輩がライトに触っただけ ……っていうか ライト、ニコニコしすぎだろ 何、笑ってんだよ また触ってる…… 今すぐ行って手を振り払ってやりたい…… 俺は何を怒ってるんだ あれ位、別に先輩と後輩なら普通だ …………でも我慢出来そうにない ライトが先輩に笑いかける度、 楽しそうに話す度、 先輩と、目が合う度………… ダメ。無理 席を立ち上がろうとした時だった 「吹雪」 急に声をかけられて振り向く 「…………なんだよ。蓮人」 話しかけるなよ 俺は今、忙しいんだ 「吹雪さぁ……」 「何?」 「もしかして……」 「…………?」 意味ありげな蓮人の口ぶり 「吹雪ってライトの事、好きなの?」 「は……はぁ!?」 何言ってるんだ。コイツ 俺がライトを好き…………? 「さっきからずっとライトの事、見てるし」 「それは……」 ライトが気になって いや。心配で?  「さっき、ライトが先輩に触られて、 イライラしてただろ」 「…………」 イライラしたから、なんだって言うんだ 俺が好きなのはルイトだし………… 「あれじゃ、すぐバレるぞ」 「……別に意味なんてない」 ふと気が付く …………最後にルイトの事を考えたのは いつだった? 「自分で気付いてなかったの?」 「何がだよ」 最近はライトの事ばかり考えてた セフレでいつも隣にいるから、 ルイトよりライトの事を考えるのは、 当たり前…… 「ライトの事、好きだって……」 「適当な事、言うな」 ライトを好き…………? 俺が……? 「心配しなくても大丈夫だよ。 …………俺もバイなんだ」 蓮人の事なんて、どうでもいい 言われた言葉が頭をぐるぐる回る 「ごめん。急に。 まさか、仲間がいるとは思わなくて……」 「仲間……?お前、ライトが好きなの?」 またかよ そういうの、拓海だけで十分だし 本当に次から次へと…… 「ち、違うよ! 吹雪、目が怖い!睨むなよ! 誤解だって!」 睨んでないっての ちょっと気に入らないだけ 「誤解……?」 「絶対、内緒にしてくれる?」 更に小さい声で話す 「俺が好きなのはライトじゃなくて拓海」 …………拓海を? 驚いた…… 「多分さ…… 拓海はライトが好きなんだと思う。 明らかに態度違うし…… ライトとルイト、見分けつかないんだけど 拓海の態度でどっちか分かっちゃうんだ……」 「…………」 「だから、そういう意味での仲間。 片思い仲間?みたいな」 そんな話をしながら、 楽しそうに話す先輩とライトが 気になって仕方ない …………一体、なんだって言うんだ

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