182 / 230

第185話

ドンッとグラスをテーブルに置き、 ライトと拓海の隣に座った 「ライト。大丈夫か?」 声をかけると、眠そうだったライトの 目がパチッと開いた 「吹雪?」 ライトが俺をジッと見る 「飲み過ぎだぞ?」 「吹雪ーー!」 ガバッと抱きつかれて、一瞬何が起きたか、 分からなかった 「……お……おい」 不意に抱きつかれて慌ててしまう 「「なんだなんだ〜」」 周りが面白がってはやし立てた 「なんだよ。ライト。抱きつき魔か」 「酒弱すぎだろ〜」 「吹雪も苦労するな。ははっ」 微かなアルコールの匂い ライトは俺の頬をペタペタ触り、 手をギュッと握りしめた 「ラ、ライト」 「吹雪。いー匂い……」 匂い?? あ、香水か…… 「お前、酔い過ぎだよ」 言い終わる前に、 ライトは俺の胸に頭を寄せスリスリしてる 甘えてる…… 他の奴への態度と全然違う …………こんな事するのは俺にだけ 何これ………… …………なんだよ こんな事がすげー嬉しいなんて…… ライトは顔を上げ、俺を見つめた 目が潤んでる…… そんな目で見るな…… 上目遣いの涙目にキュンとしてしまう いつまでジッと見てんの 見過ぎだろ …………可愛い顔するなって 「ねぇ……キスして。吹雪」 「ぶはっ!げほっ!」 「ゴホッゴホッ………!」 拓海と俺、同時に吹き出す …………良かった 他の奴には聞かれてない お、お前なぁ…… 酔っぱらい過ぎなんだよ! 「………しよ……吹雪……」 ライトが指を絡ませてきてドキッとする 囁くみたいな甘い声 さっきまで無邪気に甘えてたライトは、 ガラリと表情を変えた 涙目で俺に迫るライト 色気が溢れ、惑わされそうになる サークルの飲み会で人前なのに…… ゴクリと息を飲んだ 拓海が慌ててライトの肩を掴んで、 引き離そうとするけどライトは引かない 「やだ!邪魔しないで!」 「ライト…………」 「どうして……してくれないの……?」 目に涙をためて、俺に縋るライト なんて表情…… 拓海の前でキスしてもいいの? 見られてもいい…………? 「ライト…………」 「吹雪…………」 ライトの目がウルウルしてる そんな顔してると、本当にキスするぞ 大騒ぎになるかな…… 流石にマズイか……  ライトの濡れてる唇を見つめる …………キスしたい   見つめ合ったら、ライトが俺の手を握ってきた

ともだちにシェアしよう!