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第188話

「あーいうの、やめろよ……」 怒ってる拓海 多分、初めて見る…… 「拓海には関係ない」 そう答えながら、自分でも違和感を感じてた 「俺はライトに告白したんだ お前こそ関係ないだろ」 拓海の言い分はもっともだ 拓海は俺達の関係を知らない セフレだなんて知られたら、 怒るじゃ済まないだろうな…… だけど、どうしても譲れない 「関係ないかもしれない……… でも、お前だけには、取られたくないんだ」 本音をぶつける 拓海にどう思われたって構わない ライトを取られたくない…… 優しくて思いやりのある拓海 拓海と付き合ったら ライトは幸せかもしれない 俺といるよりも………… でも…… 他の男と一緒にいるとこなんて、 考えるだけで耐えられない この気持ちに名前をつけるなら………… その時だった 「いいぞー!キスしろ〜!」 「やれ!やれ!」 座りながら、寝てしまったライトに、 キスしようとしている先輩がいた 「何やってんですか!先輩!!」 慌てて駆け寄る 「いや〜! ライトが寝ながらむにゃむにゃ言って、 可愛かったからさ。 ゲームしてて、罰ゲーム…… ライトにキスなら出来るって話になって……」 「ライトの気持ちも考えてください!」 先輩を殴りたいのを全力で我慢する 信じられない 揃いも揃って、皆、馬鹿なのか 「……ん……吹雪……」 俺の大声でライトが目を覚ました 「…………ライト。そろそろ帰ろう」 もう嫌だ こんな場所にいたくない 俺が言うとライトはふわっと笑った 「うん」 いつも俺だけに見せる可愛い顔 ドッ……と心臓が跳ねる …………自覚なんてしたくない 気が付いたら、 ライトを見て赤くなってる先輩が二人もいて 俺の後ろに隠した 「俺ぇ、歩けない」 「おんぶしてやるから乗れ」 「えへ。吹雪、ありがとう…………」 俺に甘えるライト …………ずっと、このままがいい 「こういうの、今後はやめてください。 お先に失礼します」 本当は認めたくなかったんだ 自分の気持ちなんて……

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