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第189話

ライトを背負って歩いた 「吹雪?」 「……何?」 「…………吹雪」 「なんだよ」 「へへっ。吹雪、温かい……」 春先と言っても、まだ夜は冷える だけど……背中は温かい…… 苦しい位に胸がザワザワしてた …………あれは独占欲だ 認めざるを得ない しかも、拓海には嫉妬もしてる 他の男がライトに触れるのを許せなかった 拓海がライトを理解してるのも、 好きなのも嫌だ 俺だけがいい ライトをどこかに閉じ込めておきたい そう本気で思ってしまった 「吹雪、いい子」 不意に髪を触られる …………いや。意味が分からん 「よしよし」 何故か頭を撫でられた …………今度はなんだ 犬扱いはやめろ 「吹雪」 「ん?」 「吹雪……!」 後ろからギュッとされる 「俺ねー?吹雪とずっと一緒にいたいの」 「…………そうかよ」 なんだよ 街中でそういう事言うなよ………… ずっと……? …………俺も 俺もそう思ってるよ…… 「吹雪は?」 「……え?」 「吹雪は…………?」 「…………」 何言わせるつもり…… 「ねぇ……」 「…………うん」 「俺の事、どう思ってる……?」 どうって…… そんなの、一言じゃ難しい………… ライトは可愛くて…… いつも、なんか健気で…… 一緒にいると楽しくて…… 笑うと嬉しくて……なんかドキドキして…… 「セフレなんて言い出して、 俺の事、軽蔑した?」 そんな風に思ってたのか 「…………そんな事ない」 だって どれだけ、お前に救われたか分からない 優しくて寂しがり屋なライト 寄り添うみたいに二人で一緒にいた ルイトが嵐と付き合って、 苦しくて苦しくて…… ルイトへの長い片思い 拗らせた分だけ引きずってた 一人だったら、 黒い気持ちに負けてたかもしれない 二人の幸せを願いながら良くない感情を、 きっと持ち続けた でも、ライトが側にいた お前がいたから耐えられたんだ…… 今は心から嵐とルイトの幸せを願ってる しっかり者でクールなライト だけど、二人でいる時は色々な顔を見せた 見た目はそっくりなお前達 でも、全然違う 俺の前だと素直で甘えん坊 笑うとすごく可愛くて涙腺はゆるめ お前が可愛くて可愛くて、仕方ないんだ 可愛い顔もやらしい顔も、俺だけに見せてる と思ったら、堪らなかった………… ルイトの時とは違う あの時は望まなかった ライトの特別な存在になりたい………… 「ライト。俺…………」 「……もー食べれにゃい」 ………………は!? ライトはむにゃむにゃ言ってる 寝てんのかよ。この酔っぱらい! 話しかけて寝るなんて…… …………自覚したって意味はない ライトは嵐が好きだから………… 「……ふぶき…………」 寝言で俺の名前を呼ばれても、嬉しくない ……嬉しくないんだよ …………起きろよ。ライト

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