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第207話
バタン
派手な音がして目が覚めた
何の音!?
ライトがいない……
すぐにベッドの横で倒れてるライトに気付く
モソモソ動いてるライトを慌てて、
助け起こした
「……ライト………お前、大丈夫?」
「ありがとう」
そうだ……
俺、昨日…………
聞かなくちゃ
ライトの返事を
「……昨日……やり過ぎて、ごめん」
ライト……
聞かせて…………
「吹雪」
「お前……可愛くて止められなかった」
真っ赤になってる
また可愛い顔して
「吹雪……
俺、昨日の事、全然、覚えてないんだ」
…………な
なんだと!?
冗談はやめろ…………
真顔……
マジか……!?
「嘘だろ…………どこから?」
昨日、すげー可愛かったのに
「2杯目飲んだくらい?」
「飲み会始まって、
30分もたってない頃から!?」
信じらんねぇ……
あんな風に甘えてきたのも、素直だったのも
可愛いワガママも、俺の告白も…………
全部、覚えてないだと!?
頭の中、どーなってやがる
「……………う、うん。なんだよ。
俺、何かした?」
「お前、禁酒しろ。飲み会禁止」
もう外では二度と飲ませてやんねぇ
記憶ゼロ…………
軽く落ちこむ
「えぇ!?な、なんで…………
俺、迷惑かけた!?」
「迷惑っていうか…………」
可愛かっただけだけど……
っていうか
あのくだりを全部、俺に説明しろと?
……いや、無理!!
「ハッキリ言ってくれ!!」
「……………とにかく!今後、一人飲むな」
あんなの、誰かに見られたら、
襲われるかもしれない
「どうして、教えてくれないんだよ!?
俺、何したの!?そんなにヤバかった!?」
「うん」
ヤバイってもんじゃない
お前…………
「えーー!?な、何したんだよ………」
「ライト、酒に弱すぎ」
ライトはスマホを出し、拓海にかけた
なんで……拓海なんだよ……
喉まで出かかった言葉を飲み込む
嵐の二の舞いになるぞ
大人気ないヤキモチは嫌われる
ここはグッと我慢
そう言えば
キスしてるとこ、拓海に見られちゃったの、
言っといた方が良いのかな
あれはライトがキスしてって言ってきて……
その後、可愛く甘えられて、つい……
説明できねぇし……
記憶がないなら、
なんで……って言われそうだな
黙っとくか……
ライトは電話を切り、落ち込んでる
拓海も教えてくれなかったみたいだ
困ってるライトが可愛くて手を伸ばした
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