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第216話
その後、俺にも電話がかかってきて、
ルイトからだった
仲直りは失敗して、更に拗れたらしい
本当に手のかかる奴らだな……
憂さ晴らしに暴飲暴食に付き合ってほしいと
頼まれたけど、ライトはバイトに
なってしまった
「俺もバイトだから、そろそろ帰るな」
「うん……」
ライト、寂しそう…………?
ちょっと元気のない姿にキュンとする
…………夜、また、来よう
前に突然、訪ねて行った時にしてくれた
嬉しそうな顔を思い出す
夜、また来る、
そう言いかけてやめる
ずっと一緒にいたい
…………会いたい気持ちに我慢が出来ない
でも、帰り際に夜の約束……
余裕がない感じだよな
やりたいだけって思われても、困るし……
「吹雪」
「何?」
本当に寂しそうな顔
そういう顔するから勘違いしちゃうんだよ
頭を撫でて抱きしめたいのを、
グッと我慢する
「…………いや」
ライトがシュンとしながら言った
寂しがりやなとこも可愛い…………
バイト行きたくねー
ライトのバイト先の本屋、
見に行っちゃおうかな
今度、こっそり見に行こう
エプロンしてて可愛いんだろうな……
「じゃあ、またな」
「うん…………」
恋人ならここで当たり前みたいに、
次の約束をして、
キスして抱きしめて…………
キスしたい……
ライトの唇を見つめる
抱きしめたい……
抱き合うと幸せな感覚に落ちる
腕の中で、嬉しそうに笑うライトを思い出す
くそ!
我慢だ。我慢!
自分の気持ちに気が付いてから、
色々、歯止めが効かない
後ろ髪を引かれながら仕方なく、
ライトの家を後にした
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