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第229話

これが最後になるかもしれない 覚悟を決めて腹を括る 「ライト……俺……」 そっと唇を重ねた 『セフレやめよう』、そう言われてから、 ずっと辛くてキス出来なかった 「ライト。お前が好きだ」   驚いたような顔をしてから、 ライトは放心してる 「ライト……?」 「う、嘘だ!」 「嘘?」 「お前が好きなのは、ルイトだろ!!」 嘘か………… そうだよな 肝心な事は一つも伝えなかった でも ルイトの時はこんなに自分の気持に 振り回されたりしなかったんだよ 「…………確かに俺はルイトが好きだった」 「だって……あんなに……」 「…………ライト」 ライトは少し動揺して、 信じられないような様子をしてる 「どうせ……俺はルイトの代わりだ………」 投げやりにライトが呟く それはない 「代わりだなんて思ってない。 ライトとルイトは全然違う」 きっぱり言い切ってライトを見つめた だってルイトの時はこんな感情知らなかった 「正直に言うと、セフレになるまで、 お前の事、なんとも思ってなかったし、 よく知らなかった」 「吹雪……」 伝えよう 全部 格好悪くてもちゃんと自分の言葉で 聞いて欲しい 言えなかった俺の気持ち 「やる度にお前……可愛くて…… 回数を重ねると、泣いたり甘えてきたり、 俺だけに見せてるのかと思うと 堪らなかった」  ライトの顔が赤く染まる 「そういう顔もすげー好き……」 いつも照れて言えなかったけど、 お前、可愛いすぎるんだよ………… 「ルイトの時はさ、 最初から嵐のことを好きだって分かってたし、 今でも心配な気持ちはあるけど…… 全然違うよ」 そうだ ルイトとライトは全然ちがう ずっと友達だったのに、 ライトの事、ほとんど知らなかった いつもはクールでしっかり者 絵に描いたような兄タイプ   …………だけど、いつからだろう 見た事のない新しい表情 甘えられたのも初めて…… 笑った顔を見ると俺も嬉しくなって、 照れた顔を見るとキュンとしてしまう ライトの涙を見ると守ってあげたい…… そう思うんだ 「お前に対しては我慢できなくて………… 他の男と楽しそうに話してるだけで、 腹が立つし、触られてるとイライラが 収まらなかった」 「…………」 今まで付き合った奴にだって、 こんなに嫉妬した事ない 自分でも少し引いてるよ 行き過ぎたヤキモチ 他の男と話してるだけで、 少し触れただけで気持ちが落ち着かなくなる こんなにモヤモヤするの、初めてなんだ ライトが好き 優しくしてあげたい 誰よりも大切に思ってる でも、お前が他の男といると、 自分の気持ちがセーブ出来ない いつも俺はお前を傷つけてばかりだった 「ルイトの時とは違う。 …………俺、嵐と拓海に嫉妬してる。 最近………… 自分の気持ちがコントロール出来ないんだ」 嵐にはどう頑張っても勝てない悔しさを、 拓海には俺にない優しさに焦りを感じてた ーライトが好きー 俺だって気持ちなら、負けない 「セフレで情が湧いただけじゃないのか……」 情が湧いた? 少なくとも違うとは言い切れない 寝てからライトが気になり始めた セフレになったから、 お前の可愛いとこに気付いたんだ 「最初はルイトに失恋して…… 変かもしれないけど、 お前の存在が救いだったし、必要だった…… でも、気付いたら……それだけじゃなくて、 …………好きになってた。 お前は俺にとって大切な存在だって、 分かったんだ」 …………ライト? 震えてる…………? 「セフレやめようって言われて ショックだった。 でも、前に…… 俺と一緒にいると嵐を思い出して辛い…… ってお前に言われたから躊躇した。 …………だけど、拓海の前で泣くお前を見たら 我慢できなくて………… ……欲求不満だから抱いた訳じゃないんだ」 あの時の言葉を思い出すだけで胸が痛む 何も言わず、ただ乱暴に抱いた それがどれだけ、ライトを傷つけたか………… 俺のやった事は、 自分勝手だったって分かってる 分かってるけど………… …………ライト お前が好き …………俺を見て 少しでもいいから………… 拙い言葉で気持ちを伝える 「ライト。拓海と別れてくれ。 絶対に大切にする。 …………お前が好きなんだ」 ライトの目に涙が溢れ、零れ落ちた

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