「……………卜」 「……イト…………」 「ライト！！」 ハッと覚醒する 「やっと、起きた。大丈夫か？」 「あ……あぁ、平気」 「さっきから、ずっと、電話が鳴ってる」 確認するとルイトからだった 折り返すと、すぐにルイトは出た 「もしもし？」 『ライトーー！』 「ど、どうしたんだよ」 『…………今日、帰らない』 「え？」 『先生に、泊まりに誘われた！ ど……どうしよう！』 ルイトの声大きいし、音漏れもしてるから、 吹雪に聞こえちゃったよな 「ルイト………」 『泊まりって…… やっぱり、そういう事………！？ ライト。助けて！ 緊つ張しすぎて変になりそう！』 「お前、今……どこに…………」 『あっ！先生、戻ってきた！！ ライト、ごめん。切るね！じゃ！』 プープープー 後ろを振り向けなかった 吹雪。今、どんな顔してる………？ その時、急に吹雪に抱きしめられた 「落ち込むなよ。ライト。 いつかは、どうせやるんだ。 落ち込むだけ無駄だぞ？」 …………俺が先生の事を好きって、 嘘ついてるから、心配してくれてるのか…… 知らなかった お前、意外と情に厚いんだな 吹雪の背中に手を回した 「吹雪も寂しい？」　 「……………そうだな。 やっぱり、寂しいよ…………」 切ない表情…… いいな…………ルイトは 吹雪に、そんな顔させることができて…… 「吹雪……帰っちゃう…………？」 「いや、泊まろうかな…………」 「本当！？」 「もう、やんねーよ？」 「じゃあ、ゲームしよ！」 「立ち直り早いな…………」 「うん……一人じゃなくて、 …………良かったと思って！」 「……………そうだな」 吹雪も、俺がいて良かったって、少しでも、 思ってくれたら、嬉しい………… いつも、無口な吹雪が、 この日は妙にお喋りで、 少し、嬉しいような切ないような、 変な気分になったんだ………