「ごめん。赤い顔、可愛くて、 ついキスしちゃった」 つ、ついって…………！ 「か……かわ、可愛いってルイトと…… 間違えてんじゃねーの。 …………っていうか、俺……男だし！」 くす…… 拓海は笑った 「俺……ライトとルイト、 間違えた事ないだろ？」 「……そ……そうだけど」 「俺にとってはライトの方が可愛い」 「は、はぁ！？」 「頑張り屋なのに、素直じゃなくて、 優しいくせに口下手で、 口は悪いのに笑顔が可愛いとことか……」 「やっ、やめろよ！」 そんな事、言われたら照れる 頬が熱い…… 「照れた顔とか、照れると口調が 強くなるとことかも可愛い」 「……やめろってば！！」 阿呆か！ なんなんだ！ 「照れてるの？ ライト。可愛い……」 頬に手を置かれる 顔が近づいてきた キスされる………！ ………………させるか！ 手を払って、 ベンチから慌てて飛び降りる 「ははっ。ライト。猫みたい」 だ……誰か、コイツをなんとかして………… 「お前！！ふざけんなよ！！」 「…………ふざけてないよ。 冗談でこんなこと言わない」 「……た……拓海」 俺、どうすれば………… 「本気でお前が好き」 そんな ………………でも お前が本気なら…… 「…………ごめん。好きな奴いる」 顔を見られず、下を向いて謝った 拓海はそっと小声で耳打ちしてきた 「知ってるよ。吹雪だろ？」 「な………！」 ショックを隠せなかった 俺はそんなに分かりやすい態度でいたのか 「俺と付き合って。ライト。 絶対、大事にする」 どうしよう 何も聞こえない 俺の気持ち……バレてたなんて………… 「俺のこと、考えてくれる？」 「……」 「大丈夫だよ。多分、俺以外は気付いてない 俺はお前を見てたから、気付いただけ」 ゆっくり拓海を見上げた 「………ごめん。拓海。 俺が好きなのは、一人だけ」 ビックリした…… …………自分が誰かに好かれるなんて 「振るの、早すぎ………… でもね。ライト。 俺も簡単に諦められないんだ。 少しでいいから考えて」 「考えても変わらない」 ちゃんと断らないと 見込みのない片思いは辛いだけだって、 自分で痛い程、分かってるから…… 「キッパリしてるな。 そういうとこも好きだよ」 「ごめん。拓海」 「謝るなよ。ライト。 俺、諦めたわけじゃないし」 拓海は少し寂しそうな顔で言った 「好きでいるのは、俺の自由だろ？」 「そ、そうだけど…………」 俺のせいで、 そんなに悲しそうな顔をするなよ 「困らせてごめん。 とりあえず、努力させてくれ」 「拓海…………」 そんな事されても気持ちは変わらないのに 「俺、先に行くね。また、大学で」 拓海がいなくなり、 考えこんでたら声をかけられた 「モテるな？ライト」 ふ、吹雪…………！！