56 / 230
第57話
「ど、どうしたんだよ。吹雪」
「よぅ!吹雪」
突然来た吹雪にビックリしつつ、
挨拶する拓海
「…………入るぞ」
吹雪は自分の家みたいに普通に入って来た
「ライト。俺も上がってもいい?」
「え?あー。えーと……」
拓海には悪いけど、
また吹雪に軽いとか言われたくない……
俺がなんて断ったらいいのか考えてると、
吹雪が代わりに答えた
「拓海も入れば?俺んちじゃねーけど」
「…………うん。入れよ。拓海」
「ライト。コーヒーもらうぞ。
拓海は?コーヒーでいい?」
吹雪はキッチンに入っていた
「うん。どーも」
少しして、吹雪は飲み物を持ってきてくれた
「ほら。ライト」
「ありがとう」
「拓海。砂糖とミルクは?」
「どーも。ブラックで平気」
「ライトのカフェオレ?」
「あ、違うよ。ミルクティー」
「ミルクティー!」
「コーヒー苦手で……」
「吹雪。詳しいんだな…………
キッチンの場所も、ライトの好みも」
「あ、うん。よく来るから」
「…………妬けるな」
「ぶっ!ゴホッゴホッ」
思わず、ミルクティーを吹き出してしまった
「汚いよ。ライト」
拓海にティッシュを渡される
「な、何を…………」
………………吹雪もいるんだぞ
「こんなに仲いいんだし、
どうせ、すぐバレるだろ?
吹雪。俺、ライトが好きで告白したんだ」
「……………そう」
「あんまり、驚かないね。吹雪。
男同士、引かない?」
「俺には関係ないから」
ー俺には関係ないー
関係ない………
「ライト!」
拓海に声をかけられてハッとする
「……あ……何…」
「ライト……」
心配そうな拓海と目が合う
吹雪は立ち上がって「トイレ」って、
行ってしまった
「ライト。ごめん。
つい、対抗意識、燃やして」
「別に。お前悪くないだろ」
「いや…………俺が余計な事、
言わなければ……」
違うよ。拓海
拓海のせいじゃない
関係ない……なんて……知ってる…………
ともだちにシェアしよう!