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第59話

なんか……立ち直れない…… 今日は色々ありすぎた 何も考えたくない 思い出すだけで虚しくなるから ……………でも助かったな まさか拓海が手助けしてくれるとは…… 後で礼を伝えないと………… ま……全然、誤魔化せてなかったけど アイツ、テンパりすぎ ふ……と一人で笑ってしまう そう………… まだ大丈夫 ちゃんと笑える 深呼吸して、布団で目を拭った 告白されてから逃げ腰になってるけど、 アイツ、もともとすげー良い奴だもんな…… 考えてしまう もし、吹雪に俺の気持ちを知られたら? 気まずくなって会話もなくなり、 セフレもおしまい ………………嫌だ 体だけでもいいから側にいたい こんなに酷い目にあっても、 嫌な言葉を言われても、 俺はなんで、こう……懲りないんだろう 吹雪が好き 俺にはその気持ちしかない もう一度、布団で涙を拭ってから、 そっと目を閉じた ピーンポーン あ……俺、寝てた? 時計を確認する 二人が帰ってから30分位…… ピーンポーン 出るの面倒くさい どーせ……なんかの勧誘とかだろ カタ………… ガチャガチャ 鍵を回す音が聞こえる ルイト? 今日は大学終わったらバイトして、 そのまま先生とデートって言ってたのに…… でも…… こんなに酷い顔、見せたら、 絶対突っ込まれる 寝た振りしよう 布団にもぐりこんだ トントントン 足音が近づく コンコン 返事をしないでいると、 カチャ……ドアが開いた 布団がめくられる そっと頭が撫でられた …………? ルイトじゃない? この匂い ……………吹雪の香水! パッと目を開けると吹雪がそこにいた さっき帰ったはずの吹雪が 「ごめん。起こしたか」 「な、なんで」 「ポストの暗証番号。 前に、ルイトが誕生日にセットした、 って言ってたから。 11月15日 七五三の日」 「……そうだけど」 なんで 「謝りたくて…………」

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