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第66話

一緒に大学に行った いつもは歩きだけど、 ちょっと体がだるかったから電車にした たった一駅 満員電車で辛いけど、 吹雪とくっつけるし一緒で幸せ やべ。ニヤニヤしちゃう 口元を慌てて隠す その時、何かが後ろに触れた 「…………?」 サワサワと触れられ、体が身震いした 何これ………? わざと触ってる? 痴漢? 女の子と間違えてんの!? 俺、170cmはあるんだけど! 俺を触る手は段々、大胆になる くそ!触るな! 睨むつもりで後ろを振り向いたら、 女の子しかいない 左右に男が一人ずつ 一人はサラリーマン、もう一人は高校生 どっちも痴漢なんてしなそう…… 違うように見える どっち?どっちだ? 満員すぎて身動きも取れないし、 よく見えない その間にも痴漢は、俺の体をあちこち触る やめろよ!気持ち悪い!! 「ライト?」 斜め前にいた吹雪が、 怪訝そうに俺を見てる 俺の様子がおかしい事に 気がついたみたいだ 助けてほしい でも、男の癖に痴漢されたとか、 恥ずかしくて、言えない 痴漢は俺の足の隙間に手を入れてきた ビクッと体が震える な、なんで、男に痴漢するんだよ 気持ち悪い! さ、さ、触らないでくれ! 電車が駅について、人が降りる始めると、 スペースが出来た その瞬間、吹雪は痴漢の手を掴んだ 「こんなことして、 恥ずかしいと思わないのか!! 来い!一緒に降りてもらうぞ!!」 だけど、ドドッと人が降り、 色々な人にぶつかられ、 その隙に、痴漢は逃げていった 「………………」 呆然としてしまう とりあえず、降りた 「……大丈夫か?ライト。 ごめん。逃して…………」 「いや……」 恥ずかしすぎる どうやら、高校生の方だったみたいだ 「……俺、女みたい…………?」 情けなくてつい、聞いてしまった そんな事、言われたことないけど…… 「いや。アイツ…… 電車に乗り込んできた時から、 ライトの顔、ジロジロ見てたし、 男って分かってて触ったんだろ」 「な、なんで」 「ライト、可愛いからな」 サラッと言われた 「え?」 「流石に女には見えないけど、可愛い」 「う、嬉しくない………」 そう言いながら、俯いた 今、絶対に真っ赤になってる…… ど、どう返せばいいんだ…… グルグル考えてると大声で名前を呼ばれた 「ライト!電車、珍しいな!」 「拓海………」

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