83 / 230

第84話

電話は、バイト先(本屋)の店長からだった 『風中くん?今日だけど、 シフト変わってもらえない? 4時から8時まで。 二人も欠席でちゃってさ〜』 体は辛かったけど、今日も大学休みだし、 夕方まで休めば平気だろう 「そうなんですか…… 別にいいですよ」 『本当!?助かる!!頼むよ〜』 「ハイ」 『風中くん。風邪?』 「え?」 『なんか、声が変だから』 …………大泣きしてたとか、言えないし 「あ、いえ。大丈夫です!」 『じゃ、よろしくね』 「分かりました」 『では、後で』 店長に感謝………… 電話のおかげで助かった…… 吹雪がスルッと頬を撫でてきた 嫌だな。今は触られたくない ルイトの代わりにされそうで………… RRR……… また電話が鳴った 今度は吹雪のスマホだ 「もしもし?……ルイト…………」 ………ルイト? 「そうか………… 落ち込むなって。元気出せ」 先生と上手く仲直り出来なかったのかな 吹雪は優しすぎる ……………俺、卑屈だな 「今日の夕方?別にいいけど………」 吹雪が話す 出掛けるの?二人で………… 「……………うん。 ライトなら、もう起きてるよ。 分かった。聞いてみる」 …………? 「ライト」 「え?な、何?」 急に話しかけられて、ビックリする 「ルイト、また嵐と拗れたんだって。 暴飲暴食に付き合って欲しいんだと。 今からバイトだから夕方…… ライトも誘ってって言われた。 どう?」 なんてタイミング……… 「そう………… でも、俺……夕方からバイト」 「分かった。伝えとく。 …………ルイト?ライトはバイトだって。 待ち合わせ、駅でいい?」 別にいいんだ 二人が一緒にいるとこなんて見ても、 辛いだけだし………… 心配そうにしてるのとか、 ルイトに優しくしてる吹雪なんて………… ……………見たくない

ともだちにシェアしよう!