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第93話

「ルイト!待て!ちゃんと話した方がいい」 吹雪がルイトの腕を掴む 「はな!離せ!吹雪っ …………今は、無理!!」 ルイトが暴れて、 吹雪が抱きしめてるみたいだな…… ボンヤリ、そう思う 二人が揉めてるとテーブルにぶつかり、 俺のスマホが落ちた 「……あ、ごめん」 一瞬、吹雪がスマホに気を取られた隙に、 ルイトは走っていってしまった 「ライト!嵐が来たら、家で待たせてくれ! 俺はルイトを連れ戻してくる!」 吹雪はルイトを追いかけて行ってしまった 一気に家の中がシーンとする 落ちてしまったスマホを拾う スマホはカバーをしてたから、 大丈夫だった ただ、吹雪から誕生日にもらった スター□ォーズのキーホルダーは ヒビが入って、少し欠けてた それを見たら、今まで我慢してたものが、 一度に込み上げてきた …………大事にしてたキーホルダーが壊れた 吹雪はルイトを追いかけて、家に一人 それだけで泣けてきた 自分は結局、ただの代わりなのだと 思い知るには十分だった …………もう疲れた どうでもいい………… …………セフレやめよう 最初から間違えてた 成り立つわけなかったんだ 身代わりの恋に幸せなんてあるはずない  綺麗に身を引こう 割れたキーホルダーを見つめる 壊れたら、もう二度と元には戻らない 明日はクリスマス 吹雪に準備してたプレゼントを、 ゴミ箱に捨てた 『誕生日のキーホルダー、 嬉しかったからお礼』、 そう言って渡すつもりだった 顔を洗ってバイトに向かう 何事もなかったかのように………… その後、吹雪から何度も、 電話やラインが来たけど、 返さなかったし、出なかった 夜は友達に泊めて貰って、 家には帰らなかった 次の日、連絡もせず、 吹雪の家に行き、家に上がる 「ライト!! お前……昨日どうしたんだよ。 何度、連絡しても出ないし。 家にもいないしで、どこに…………」 「ルイトと先生はどうなった?」 「とりあえず、会えて嵐が連れて行った。 その後は分からない」 「吹雪」 一度、深呼吸をした 「吹雪。セフレ、やめよう」 「え………」 吹雪が驚いたように俺を見つめる 絶対に今日は泣かない

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