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第95話

「……あ…やッ!……ん…あぁアッ…………!!」 こんなに心は冷めてるのに、 気持ち良くなる浅ましい体 涙は見せなかった お前の事を諦めて、 …………………俺は前に進む 体中が痛い 「………俺、帰る」 良かったのかも………… 最後まで優しくされたら、 きっと諦められなかった もう振り返ったりしない ドアを開けて足早に吹雪の家を後にした 好きだった。吹雪………… 泣きながら駅まで歩いた すれ違う人があまりの俺の様子に、 皆、振り返った 二人で何度も歩いた駅までの道のり ハンバーグの材料を買ったスーパー  大ゲンカした駅前の公園 一緒に行ったゲーセン 誕生日に買ってきてくれたケーキ屋 駅前はクリスマスの 華やかなイルミネーション  幸せそうな家族や恋人たち 色とりどりの光が涙で滲む …………クリスマスが嫌いになりそう …………吹雪 もう抱きしめてもらえない…………

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