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第100話
俺じゃダメか…………?
…………今、吹雪……そう言った?
え…………?
どういう事?
意味が分からない…………
「ライト……俺……」
掴まれた肩が熱い
そっと唇が重なる
触れるだけのやさしいキス
「ライト。お前が好きだ」
…………え?
言葉が出てこない
なんて?
…………吹雪はなんて言った?
聞こえた言葉が頭に響く
「ライト……?」
「う、嘘だ!」
「嘘?」
「お前が好きなのはルイトだろ!!」
「…………確かに俺はルイトが好きだった」
「だって、あんなに……」
「…………ライト」
「どうせ……俺はルイトの代わりだ……」
「代わりだなんて、思ってない。
ライトとルイトは全然違う」
きっぱり言い切って、俺を見つめる
「正直に言うと、セフレになるまで、
お前の事、なんとも思ってなかったし、
よく知らなかった」
「吹雪……」
「やる度にお前……可愛くて………
回数を重ねると、泣いたり甘えてきたり、
俺だけに見せてるのかと思うと、
堪らなかった」
な、なんて事言ってんだよ
カァァァッ
頬が熱くなる
「そういう顔もすげー好き……」
吹雪の言葉に心臓が壊れそうなくらい、
鳴ってる
「ルイトの時はさ。最初から、
嵐のことを好きだって分かってたし、
今でも心配な気持ちはあるけど……
全然違うよ」
吹雪、本当に…………?
「お前に対しては我慢できなくて……
他の男と楽しそうに話してるだけで、
腹が立つし、触られてるとイライラが
収まらなかった」
「…………」
「ルイトの時とは違う。
…………俺、嵐と拓海に嫉妬してる。
最近、自分の気持ちがコントロール
出来ないんだ」
何これ…………
俺……夢、見てんのかな……
「セフレで情が湧いただけじゃないのか……」
「最初はルイトに失恋して、
変かもしれないけど、
お前の存在が救いだったし、必要だった……
でも……
気付いたら、それだけじゃなくて、
…………好きになってた。
お前は俺にとって、大切な存在だって、
気が付いたんだ」
普段、口数の少ない吹雪が、
一生懸命伝えてくれてる
「セフレやめようって言われて、
ショックだった。
でも、前に……
俺と一緒にいると嵐を思い出して辛い……
ってお前に言われたから躊躇した。
……………だけど
拓海の前で泣くお前を見たら、
我慢できなくて…………
……欲求不満だから抱いた訳じゃないんだ」
本当に夢かも
あまりにも吹雪の事が好きすぎて、
都合のいい夢を…………
「ライト。拓海と別れてくれ。
絶対に大切にする。
…………お前が好きなんだ」
真剣な表情の吹雪を見つめた
吹雪の言葉に、その眼差しに……
体が震える
嬉しくて、でも、まだ信じられなくて、
混乱した気持ちのまま……
目頭が熱くなり、涙が溢れ零れ落ちた
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