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第109話

大学受験が終わった頃だった もうすぐ卒業 そんな時 嵐が呟いた 「…………吹雪。 出来るだけ、ルイトを家に 連れて来ないでくれ」 「なんで」 「これ以上は、マズイから…………」 「何が…………」 「……頼む」 嘘だろ………… まさか、そんな…… 「嵐、ルイトが好きなのか……?」 嵐は何も答えなかったけど、 少し困った顔で、赤い顔をしながら、 下を向いた 頭がガンガンいってる まさか、嵐がルイトを好きになるなんて…… 嵐は多分、言うつもりがない 立場とか男同士だとか、 ルイトのこれからとか、 ゴチャゴチャ考えて 言わないつもりなんだろう 二人が両思いなのは知っていた 俺がルイトに伝えれば、二人の関係は、 変わるのかもしれない でも言えなかった そうじゃない …………言わなかったんだ

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