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第5話

ただ見つめ合い、沈黙の時間が流れた。 裕一さんからの視線だけで、私は犯されている気持ちになり、自身からはだらし無く先走りが出続ける。 それでも手を出してこない彼に、私の方が我慢が出来なくなり言い放つ。 「ここに……あなたを下さい」 恥ずかしいという思いよりも、欲がーー。 気持ち良くしてもらった分、今度は私がーー。 自ら膝を抱えると、左右に大きく開いて、痙攣し続ける後孔を見せる。 「っくく、悪く無いね。……いつどこで、こんな誘いを覚えたのかな?」 「私をこう育てたのは……あなたでしょ?」 秘書としても、ひとりのーーあなたを受け入れる人間としても。 「少しだけ待っーー」 そう言って引き出しに伸ばした手を、すかさず掴む。 突然の私の行動に驚く彼の耳元に口を寄せ、普段よりも色気のある声で私は囁いた。 「今日は……付けないでしましょう」 いつも私ばかりに快楽を与え、私ばかりを満足させる彼。 愛されていることは痛いほど伝わってくる……しかし私もひとりの男だ。激しく求めたい日だってある。 そしてそれがーー今日だったってだけ。 「今日は水曜。翌日も仕事のある日は、付けてやるのが約束だろ?」 スーツの上からでも分かる位反応させているのに私の身体を心配し遠慮をする彼を、頬を膨らませてながら睨みつける。 「私からの誘いは……受け付けられないってことですか」 「出来ることならしたいよ。でもね……」 いつも仕掛けてくる癖に、変な所で心配をし慎重になる彼。 ーーこうなったら、私が彼のスイッチを押すしかない。

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