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「バックだと深いとこまで挿入 って孕みやすそうだろ……?」
式部は答えられない。
自分とは比べ物にならないご立派な熱源に胎底を連打され、シーツにヨダレを溢れさせ、頭が真っ白になりそうな凶暴な恍惚感に脳天まで貫かれた。
「非常識だって、俺にお説教でもしたかったか?」
「はーーー……ッ……はーーー……ッはーーー……ッ」
「合意の元だし犯罪じゃねぇ……そもそも法律どころか門限やぶるほどの相手でもねぇ」
ぷるぷると揺れ動く小尻に隹川は浅く爪を立ててみた。
「あっ……ん」
刺激に忠実に式部は甲高く鳴いた。
「痛いと気持ちいいのかよ、式部……?」
引っ掻き傷になる寸前の強さで肌身を辿った爪先。
「ッ……やだやだっ……やっ……痛いの、やぁ……っ」
聞き分けの悪い幼児みたいに式部が嫌がれば。
簡単に覆い隠せる背中に不意に密着して隹川は囁きかけた。
「嘘つけ、今、締まっただろーが」
式部の切れ長な双眸はぶわりと涙を溜め込んだ。
「こんなの……合意じゃなぃ……不可抗力っていうんだ……」
「そんな難しい言葉言えるんならまだまだ余裕だな」
あー言えばこー言う隹川に式部は悔し泣き、そんな年下男子に底なしの欲望を抱いて狂的に滾る年上男子。
「お前が相手なら罪くらい余裕で犯してやる」
おっかない台詞を鼓膜目掛けて投げ込まれて。
式部の何もかもが甘い戦慄に犯された。
「なぁ、こんな奥で射精したら孕めそうじゃねぇ……?」
隹川が飼い慣らす凶暴な恍惚に理性を食い散らかされて。
耳元で囁かれる世迷い言を本気で信じそうになる。
「夜通しぶっ続きで、な……ココでしこたま俺の呑み干したらお前でも受精するんじゃねぇの?」
仮膣最奥の窄まりに肉食ペニスを押し込まれ、擦りつけられ、突かれて。
切れ長な双眸からとうとう氾濫した大粒の涙。
「っ……すいかわの、あかちゃん……できちゃうの……?」
隹川は……ゴクリと息を呑んだ。
「ひっ……また、おっきくなって……?」
「ああ、その通り、式部」
微痙攣が止まらない薄っぺらな体の正面に利き手を回し、これまた薄い肉付きのお腹をじっくり撫で上げた。
「んっっっ」
「できんだよ、ここに……孕ませてやる」
「ぼくと、すいかわの、あかひゃん……?」
「は……ッ……しっかり種付けしてやるから一滴残さず受け止めろ……ッ」
脳天も下半身も昂ぶってしゃーない隹川は獲物の息の根を止める肉食獣さながらに、ガブッッ、式部の柔な首筋に噛みついた。
絶頂まっしぐらに勢い任せに激しく狂おしく溺愛した。
宣言通り、二度目であるにも関わらずたっぷりこってりな肉食スペルマを注ぎ込んだ。
「す、い、か、わ……っっ」
後孔奥に刻みつけられた絶頂の脈動に感極まって式部もすかさず後を追う。
隹川の欠片をしぶとく打ちつけられ、もどかしげに仰け反っていた童貞ペニスから慎ましげに白濁を弾いた。
「はぁッ……式部……ッ」
「ッ……ッ……ッ……すいかわ、の、いっぱい来て……奥、あつぃ……」
「ん……お前の胎も俺のモン……」
「あんっ……ぅぅぅ……まだかたぃ……」
「俺の妊活力なめんじゃねぇぞ、式部」
「ぅぅぅぅぅ……」
「兄貴ぃ!! おれおれおれおれ!!」
「おれおれ詐欺かよ、獅音」
「うおっ!! 兄貴バスローブ着てんの!?」
「これクリーニングに持っていけ」
「了解!!」
「それ着替えか」
「うん!! アイツのもちゃんと買ってきた!! ハイ!!」
「助かった。じゃあな」
「もうちょっとバスローブの兄貴見せッ……ッ……」
ブラコン弟の台詞の途中で隹川は客室のドアをパタンと閉じた。
二人分の着替えが入った紙袋を持ってベッドへ戻る。
「着替えだ、式部」
深夜、普段ならすっかり熟睡している時間帯、布団に包まっていた式部はもぞもぞ顔を出した。
「……まさかぱんつまで獅音に渡したのか?」
「いいや。後で自分でドライヤーで乾かせよ」
「……別にいいけど……」
未だ素っ裸の式部は枕元に置かれた紙袋から一人分の服を取り出し、思いっきりきょとんとした。
「隹川、これ、女物だ」
新品のニットワンピースを両手に持つ、相っ当ぼんやりな眼差しをした式部のすぐ隣に豪快に座った隹川はよからぬ痕だらけの肩に腕を回す。
「着てみろよ」
「嫌だ……」
「着ろ」
式部は唇を尖らせた。
「隹川のこと嫌いになれたらいいのに」
「なれるもんならなってみろ」
即座に言い返されてさらに唇を尖らせた式部に隹川は忠告する。
「式部、肝に銘じとけよ、もし俺を嫌いになったら……」
が、その先は言わずに相も変わらず隙だらけの式部に戒めのキスをお見舞いした。
自称悪魔以上の隹川におかわりされて。
爪の先から睫毛の一本まで我が物顔で愛でられて。
忠告の続きを想像すると無性におっかなくなって普段以上にビクビクしてしまう式部なのだった。
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