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「夢なんか俺のそばで見つければいい」 「甘やかさないでくれ」 「お前はどこまでも甘やかしたくなるんだよ」 「乱暴に甘やかされてるのか、優しく虐げられてるのか、僕には区別がつかない……」 隹川は問いかけた。 「離れ離れでも淋しくないわけか」 ずっと熱い肌に額を押し当てていた式部は眉根を寄せる。 隹川の枷になりたくなくて、海外留学の道を進むと聞かされたときから堪えていた本音がぽろりと零れた。 「……淋しい……」 彼の髪に触れる。 帰国する度に弟の獅音に意気揚々と染め直されている頭を撫でた。 「でも、隹川みたいに自分なりの夢を見つけて自信をつけてから、君の隣に並びたい」 「頑固者め」 式部はゆっくりと顔を上げた。 「俺を待たせるなんて、もう十分に自信過剰だと思うがな」 隹川は、その身の奥深くまで熱源を呑み込んで溶け落ちそうになっている腰を抱いた。 熟した果実みたいに、食指が動くほどに潤んだ双眸のすぐそばに口づけた。 「涙も甘い」 「……泣いてない」 「ナカなんか激甘だ」 「あ、ちょ……っ……」 抱かれた腰を揺さぶられて式部は隹川の頭にしがみついた。 「……重たいだろ、もう下ろしてくれ」 「そうだな、まぁまぁ重たい、出会った頃は貧乳で軽かったのにな」 「……今すぐ下ろせ」 「重くなった分、受け止め甲斐も増した」 ……隹川がずっと熱いから。 ……熱が伝染して、こっちまで昂揚を強いられる。   「……熱い……」 そう呟いて式部は自らバスローブを脱ぎ捨てた。 隹川の肩に両腕をしっかり回し、仮膣内で雄々しげに息をする肉杭を痛感して、長いため息をつく。 「はぁ……」 「なぁ、式部」 「うん……?」 「もし未知のモンスターが地球に襲来しても」 「……いきなり何の話だ?」 「正体不明のウィルスが蔓延ってゾンビが大量発生しても」 「……大量発生しても?」 質問の意図が読み取れない式部が苦笑がてら聞き返せば隹川は言った。 「俺は死ぬまでお前を待ってるからな」 式部は……笑った、笑いながら涙して隹川を抱きしめ返し、突拍子もない約束ながらも心から誓った。 「じゃあ僕は隹川の元に命がけで戻ってくる」

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