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2-「だってお前。俺に興味あるもんな?」
『俺のこどもできるまで中出し決定な』
隹川と式部が出会ってから一週間が経過した。
「なぁなぁ、北、また式部の様子おかしいよ!?」
「床ばっかりじっと見てんな、虫でもいるんじゃねーの」
「さっきの数学だってあの式部が問題解けなかったんだよ!? 変だよ!!」
式部の友達である宇野原 と北 が見つめる先には。
休み時間だというのに微動だにせず床一点をじっと見つめる式部の姿があった。
教室一番の優等生。
教師達の大のお気に入り、大人しい性格だが瑞々しく整った顔立ちで女子からの人気も高い。
「やっぱり先週、何かあったんじゃ……」
「最近ずっとあんな感じだもんな」
「も~! なんで式部に女装なんかさせたんだろ!」
「お前が罰ゲーム提案したんだろーが、宇野原、しかも俺とこっそり組んで七並べで負かしたくせに」
「だって式部女装似合うと思ったんだもん!」
賑やかな教室で一人ポツンと机に着いたまま彫像の如く固まっている友達を遠目に心配する友達二人。
一方、その頃。
「兄貴ぃぃぃ! 今日のお昼何食う!? パン買って中庭でランチ!? それとも屋上でのんびりランチ!?」
「寒いからどっちも却下だな」
同じ高校に通っている隹川兄弟。
兄の隹川は三年生教室に平然とやってきた一年生弟にゴロゴロされていた。
深緑のブレザーは全開でストライプ柄のネクタイは緩みがち、長い足を組んでスマホに保存した動画を観賞中で。
「何見てんの!?」
弟に覗き込まれる前に素早く停止して画面を切り替えた。
「メールしてんの!? 俺に!?」
「違う」
ぎゃーすかうるさい教室の片隅でヘアピン茶金髪の弟に纏わりつかれながらも手慣れた様子でメールを送信する。
「獅音 、お前今日遅く帰ってこい」
「あ、あ、兄貴、まさか俺にサプライズ的な何か、」
「違う」
またまた、その頃、中学校の教室でぼんやりしていた式部のスマホはお手軽アプリにて隹川のメールを受信した。
隹川からのメールを確認して……何とも言い難い表情を浮かべた式部に友達二人は顔を見合わせた。
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