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「ちゃんと見ろよ、式部」
「っ……嫌だ、見たくない」
「おら、見ろ」
「っ、っ、っ」
『やっ……とらないで……っごめんなさ……っ』
「完全、女だな」
「うう……嫌だ……」
ベッドの上で肩にがっしり腕を回されて隹川に密着せざるをえない式部。
しかも目の前では先週のハメ撮り動画がスマホにて再生中。
出したつもりのない嬌声、あられもない音、そしてドUPにされた結合部。
「こら、目ぇ閉じんな、音量あげるぞ」
「嫌だ……っやめてくれ、隹川っ」
羽毛布団の上にあぐらをかいて懐に式部を閉じ込めた隹川は「俺、AV撮る才能あるかもな」なんて冗談なのか本気なのかわからない言葉を抜かした。
『っあっ……あっ……!』
僕、こんな声、出したのか。
こんなに深く隹川のこと……迎え入れていたのか。
「こんな股広げて、えろい処女」
鼓膜に直に注ぐように耳元近くで悪戯に紡がれる囁き。
「一週間も放置されて疼いてんじゃねぇの」
時に柔らかな耳たぶを甘噛みされた。
「嫌……だっ、嫌……」
『高校生って……みんな、こうなのか……?』
「大体こーだな、えろいこと好きで、即一発簡単に発情可」
「もうやめて、隹川、お願い……」
「自分のハメ動画見て濡れてきたか?」
隹川の懐で涙ぐんでいた式部はさらに双眸を潤ませた。
どさり、いとも簡単にベッドに押し倒される。
か細い両腕による抵抗も空しく一瞬にして半袖ブラウスの前を力任せに押し開かれた。
ビリッと、鈍い音がして。
ボタンがいくつか弾け飛んだ。
紛うことなきブラジャーをつけた式部は恥ずかしさの余り柔な両手で咄嗟に胸元を隠した。
乱れたサラサラ髪、微かに震える、うるうるまなこ。
もぞ……と内股になって、自分を易々と組み敷く隹川を恐る恐る見上げてくる。
「ソレ。一番似合ってんな」
店で一番小さかったサイズのラブリーキュートな水玉柄。
「貧乳用でも高ぇのな」
隹川は邪魔な両手を簡単に引き剥がすと布団に押さえつけて気が済むまで観賞した。
「う……う、う」
式部は今にも泣き出しそうだ。
だがしかし可哀想な様は却って隹川を煽る。
「あのうるせぇ同級生じゃなくて俺を選んだんだな、お前」
ブレザーやネクタイを身につけたままの高校生にそう言われて式部はビクリとお腹を波打たせた。
「あっ」
か細い両手首を一纏めにしてベッドに縫いつけた隹川は自由になった片手でぷにっとした質感のお腹を撫で上げた。
「す、隹川」
「だってお前。俺に興味あるもんな?」
そのまま肌伝いに移動していく掌。
水玉ブラの下にまで、もぞり、もぞり、忍び込んでいく。
「やっぱ貧乳」
ラブリーなランジェリーで温もっていた貧乳をゆっくりゆっくり揉み回す。
掌の中心にコリコリした突起が擦れるよう、もみもみ、わしわし、丹念に捏ねるように。
ぴっくん、ぴっくん、式部はモロ華奢な体を波打たせ、もっと内股になってもどかしげに何度も身をくねらせた。
「や……隹川……っ」
「俺が毎日揉んで育ててやるよ」
「っ……育たない、僕の胸は一ミリだって育たないっ」
「わかんねぇぞ?」
掌で擦り上げていた乳首を次は指同士でくすぐるように緩々と刺激した。
人差し指や中指を左右小刻みに振って、ぴんっぴんっ、連続して弾いたりもした。
「あっ……あっ……」
隹川に胸を弄くられると、すぐに逆上せそうになってしまう。
体の奥がジンジンして、堪らなくなって、全身がポカポカ熱くなる。
……これがもしかして所謂<火照る>というやつなのか……?
「っ……一週間……放置されて、何の音沙汰もなかった……」
隹川はブラ下で貧乳を弄り回す手は休めずに式部のうるうるまなこを見つめ返した。
「……隹川は、人気がありそうだから……僕のことなんか、すぐに忘れて、もう会うこともないって……思ってた」
母親の研修を今か今かと待ち望んでいた隹川はどんどんコリコリ硬くなっていく貧乳乳首をプニ、と指先で摘まんだ。
「んくっ」
「こんな斬新なオモチャ、そうすぐには飽きねぇって」
「っ……僕……やっぱり、オモチャ……なのか?」
「オモチャ」
オモチャなんて嫌だ。
本当は、本当は。
隹川の恋人になってみたい……。
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