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4-「首輪でもつけて鎖に繋ぐか」

あったかい。 毛布や布団とは違う温もりに包まれてるような。 そして重たい。 「……?」 眠っていた式部がゆっくり目を開けば。 隹川の寝顔が視界いっぱいにバーーーンと写り込んだ。 あ。 『あと二、三回したら帰してやるよ』 あ。あ。あ。 自分だけ服を着た、しかもいつの間にシャワーを浴びてちゃっかり二度寝している隹川の腕の中で目覚めた式部は青ざめた。 いやに明るい室内。 朝と言うより……昼に近い? 「どうしよう」 僕、家に帰ってない。 隹川がずっと離してくれなくて、ずっとずっと僕のナカにい続けて……途中で気を失ってそのまま……ここに一泊した。 無断外泊したんだ。 お母さんもお父さんも絶対心配してる、お姉ちゃんはわからないけど、宇野原や北だってきっと……。 ちょっと待ってくれ、学校は? 今日、何曜日? 土曜日じゃないのは確かだ、この間週末が終わったばっかりだから……。 僕、無断外泊した上に学校をさぼったのか? というか、僕の服は……? 「ん」 秘かに大いに焦燥していた全裸の式部はどきっとした。 身じろぎ一つして寝息を洩らした隹川をためらいがちにそっと見つめた。 隹川、睫毛が長い。 肌だってきれいだ。 こうしてちゃんと見てみると、整った顔立ちなんだって、よくわかる……。 自分自身が及ぶなんてこれっぽっちも予想していなかった非行に至り、一人ぱにくっていたはずが、式部は状況を忘れて目の前の寝顔に釘付けになった。 しかし。 「視姦してんじゃねぇよ」 急に目を開いた隹川に嘲笑されてまっかっかになった。 「あーー……寝過ぎたな、もう十一時かよ」 枕元に置いていたスマホを覗き込んだ隹川の呟きに式部は再び青ざめる。 「じゅういちじ」 「あ、そーそー。お前のスマホ、ずっとブーブーうるせぇから電源切った」 「っ……連絡しないと、僕の携帯は、それに……服は?」 「その辺にあんじゃねぇの」 布団から全裸で抜け出すことが今更ながらとんでもなく恥ずかしい式部は目の前でにやついている隹川にお願いした。 「隹川、僕の服をとってほしい」

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