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第7話

  シャワーを浴びてリビングに行くと、   ジェイは誰かと電話をしていた。 「友達はオッケーだってさ。プロバイダの申請用紙とか  持って来てくれるって」   俺を見て微笑む。 「そ、ありがと」 「そういえば、携帯持ってるか?」 「持ってる」   番号を赤外線で交換する。    「さぁ。メシ食うぞ」 「うん」   テーブルにご飯と味噌汁と焼き魚が並べられた。 「ここは海にも近いから魚が美味いんだ」   ジェイは笑いながら味噌汁を吸った。 「へえ、―― ってか、ジェイやっぱり料理お上手」 「だろ? 惚れたか?」     柊二と ―― 同じセリフ…… 「惚れない」 「ざ~んねん」   2人で笑っていると、   ジェイが箸を置いて俺を見た。 「……何で泣いていた?」   その言葉に動きが止まる。 「―― 昔、飼ってた番犬が……」 「うそつきりんたろ」   俺を見てニヤリと笑う。 「……」   俺は黙って食事を進める。 「まぁ、人には知られたくない事のひとつやふたつ  誰だって持っているし、詮索はしない。でも、あんな  泣き顔を見ちゃぁ、気になって仕方がない」   焼き魚をつつきながらジェイが話す。 「話したくなったら話せばいい、聞いてやる」 「……あんたって、いい奴だったんだね」   俺は笑いながらジェイを見た。 「気付くの遅い!」   2人で笑った。   食後のコーヒーを入れて一服していると   玄関のブザーが鳴った。 「お、来たかな?」   ジェイが玄関に向かう。   栗毛の男性が部屋に入ってくる。 「倫、プロバイダの手続きしてくれるビニーだ」 『はじめまして』   英語で挨拶する。   ビニーは笑いながら俺と握手をする。 『はじめまして、可愛い人』   笑いながら俺に言った。 「ほ~らまた、可愛いって言われた」   ジェイが笑う。   ビニーがプロバイダの説明をしてくれる。   こういった契約関係の会話はまだ俺の拙い英語力   では理解出来ないのでジェイが同時通訳を   してくれて   書類に必要事項を記入して手続きをしてもらう。     明日には繋がると言って俺達の部屋を出た彼は   向かいの部屋へ入っていく。 「??」 「ん? あぁ、ビニーはラジャの事が好きなんだ。  ラジャに全くその気はないけどね」 「へぇぇ……」     他の人も色々大変なんだ……   俺だって人ごとじゃないけど、   男同士なんて並大抵の苦労じゃないもんな。   だめだ ―― 柊二の顔が頭から離れない……

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