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第12話

    (From ~ 倫太朗)    インターネットが開通したのであつしや利沙、   静流先輩にメールを送り、病院にも報告する。   英文で研修生レポートを毎月送らなければ   いけないのだ。   ジェイやジョージにも英語の発音を聞いて   もらったり、英語しか話さない日を決めて   挑戦したりと慌しく日々が過る。   あいつ達はどうしてるかなぁ……。   電話しようと思いながら ―――   ながら・ながらで日々が過ぎ、夏休みも終わって   いつの間にか9月   隣のミーシャの言葉は理解できるようになった。   今の俺の英語レベルは8才児と一緒ってコトらしい   あっ!    そういえば、静流先輩って、   12月に結婚じゃなかったけ?   俺は、やっと利沙に電話をかけた。   『生きてたのー?!』 「うん、中々連絡できなくてごめん。仕事はどーお?」   利沙は伯父さんが営んでいる会社、   ホテルエスポワールへ転職したのだ。 『正直、ホテル業を甘く見てたわ。フロント業務ひとつ  とってもこんなにしんどいもんだとは思っても  みなかった』 「アハハハ ――」 『あ、昨日第1便の日本食パック送ったからね。  そっちの仕事はどう?』 「ま、ぼちぼちやってます。英語も何とか話せるように  なってきた。でさぁ、来月静流さんの結婚式じゃ  なかった?」   結婚祝いのプレゼントを議論し、   何よりも ”ご当地土産”にこだわり、   ・アーユルヴェーダのコスメセット。   ・カシミヤのストール   ・ラム酒『オールドモンク』と    Mrシャルマのお店で珍しいワインを    ギフトセットにしてもらい送ることにした。 「すっげぇな、こんなにいっぱい送るのか?」   ジェイが驚く。 「お世話になってる人だし、今度結婚して社長夫人に  なるから」 「へー、どこの会社?」 「各務製薬」 「ふ~ん……すっげぇ人と知り合いなんだな」 「親友のお姉さんなの」 「そっか」   レポートの続きをPCで作っていると、   あつしからメールの着信 ――   LINEの掲示板で知り合った女の子から   連絡が入ったとかなり舞い上がっている様子。   親友の恋路に水を差す、じゃあないが、   匿名性の強いネット掲示板での出逢いなんて   ちょっと危なっかしくないか?   なんでもその女の子は、早速今度の休みに   会おうって言ってきたそうだけど……。   何に対しても ”猪突猛進”なあつしが   とんでもないポカをやらかさないか?   そして、一番肝心な事はその女の子はあつしが   望んでいるような付き合いが出来る子なのか?   それだけが気がかりだった。

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